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変化
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「何だったの?校長先生」
島本麻由香が体育館に戻ってきたまどかに声をかけた。
「うん。なんか激励みたいなものよ。」
「えーっ!そんな事で練習中にわざわざ呼び出す?
信じられない」
「色々事情があるんでしょ
さあ、練習の続きやるよ。
今どこまでやった?」
まどかはネットをくぐって向こう側に行きながら声をかけた。
翌日
いつものようにスパイク練習をするまどかだったが、何故かセッターの横山優香の上げるトスが合わず、ボールを打ち損なった。
二年の優香は泣きそうになりながらまどかに謝った。
「すいません!キャプテン」
「いいのよ、私の踏み出しもおかしかった気がするし」
まどかも何かしらの異変に気が付いていた。
トスのタイミングが合わなかったのか、それとも…
まどかはトス上げを同じく二年の佐山心音に替わらせると、優香をコートの外に呼び出して、話をした。
「優香、ちょっと聞きたいんだけど、今日の私
何かおかしい?」
「えっ、何がですか」
「さっきタイミング合わなかったじゃん。
なんかさあ、それ以外もタイミングが合わないっていうか、ちょっとコンディションがおかしいんだよね。
見てて何か気付いた点はある?」
まどかは確信していた。
昨日飲んだ薬が原因だと。そんなうまい話があるわけがないのだ。
元気になるどころか、コンディションが乱れているではないか…
あんな薬を飲まなければよかったと、深い後悔の念に苛まれていた。
しかし、優香から意外な言葉が返ってきた。
「そういえば…
今日のキャプテン、いつもより打点が高いような気がします」
「えっ」
「ジャンプ力が上がってるような…」
いや、コンディションが乱れているのではなかった。
高山が言った通り調子が、身体能力が上がっているのだ。
まどかの跳躍力が昨日とはまるっきり違うために、トスのタイミングが狂ったのだ。
薬は効いていた!
まどかはその劇的な力に驚き、気持ちを昂らせた。
その後、何度かジャンプ練習などをして調整をし、再びスパイク練習に戻ると、さっきとは打って変わって、力強いスパイクがネットの向こうのコート隅にバシバシと面白いように決まった。
明らかに昨日とは違うまどかの動きに、部員達は訳がわからず、ただ唖然としてその姿を見つめるのだった。
まどかは予想以上の効果に自信を深めたのだった。
島本麻由香が体育館に戻ってきたまどかに声をかけた。
「うん。なんか激励みたいなものよ。」
「えーっ!そんな事で練習中にわざわざ呼び出す?
信じられない」
「色々事情があるんでしょ
さあ、練習の続きやるよ。
今どこまでやった?」
まどかはネットをくぐって向こう側に行きながら声をかけた。
翌日
いつものようにスパイク練習をするまどかだったが、何故かセッターの横山優香の上げるトスが合わず、ボールを打ち損なった。
二年の優香は泣きそうになりながらまどかに謝った。
「すいません!キャプテン」
「いいのよ、私の踏み出しもおかしかった気がするし」
まどかも何かしらの異変に気が付いていた。
トスのタイミングが合わなかったのか、それとも…
まどかはトス上げを同じく二年の佐山心音に替わらせると、優香をコートの外に呼び出して、話をした。
「優香、ちょっと聞きたいんだけど、今日の私
何かおかしい?」
「えっ、何がですか」
「さっきタイミング合わなかったじゃん。
なんかさあ、それ以外もタイミングが合わないっていうか、ちょっとコンディションがおかしいんだよね。
見てて何か気付いた点はある?」
まどかは確信していた。
昨日飲んだ薬が原因だと。そんなうまい話があるわけがないのだ。
元気になるどころか、コンディションが乱れているではないか…
あんな薬を飲まなければよかったと、深い後悔の念に苛まれていた。
しかし、優香から意外な言葉が返ってきた。
「そういえば…
今日のキャプテン、いつもより打点が高いような気がします」
「えっ」
「ジャンプ力が上がってるような…」
いや、コンディションが乱れているのではなかった。
高山が言った通り調子が、身体能力が上がっているのだ。
まどかの跳躍力が昨日とはまるっきり違うために、トスのタイミングが狂ったのだ。
薬は効いていた!
まどかはその劇的な力に驚き、気持ちを昂らせた。
その後、何度かジャンプ練習などをして調整をし、再びスパイク練習に戻ると、さっきとは打って変わって、力強いスパイクがネットの向こうのコート隅にバシバシと面白いように決まった。
明らかに昨日とは違うまどかの動きに、部員達は訳がわからず、ただ唖然としてその姿を見つめるのだった。
まどかは予想以上の効果に自信を深めたのだった。
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