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副産物
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放送中は勿論、放送終了後も一般視聴者から情報提供の電話が何本もかかってきたようで、その内容は、恭子に似た女性を目撃した!とか、ニーナが透視した、恭子がいると思われる場所とそっくりな建物があるなど、様々だった。
しかし、結局は事件解決に結びつく有力な情報はなく、久美子を大いに落胆させた。
久美子は放送翌日、ジローを伴って江藤と合流し、これからについてを話し合った。
「久美子さん
やっぱり四年という月日は長すぎます。
有力な情報が得られないのも当然ですよ。」
江藤がコーヒーにミルクを入れながら言うと、久美子も力なく頷いた。
「どんな手掛かりでもいいので、何か出てくればと思ったんですけど、ダメでした。」
「まあ、しゃあねえよ。
ここは地道にあたるしかねえって。
そうだろ?江藤さん」
ジローの言葉に、江藤も同調した。
「その通りです。
幸い、私の方はそれなりに情報を集められています。
もう一つ…
何かがハマれば、一気に解決するような気がするんですが。」
「そうだな。
もう一踏ん張りだ。
江藤さん、久美子も事件のことばかり考えてるわけにはいかねえから、少しずつテレビの仕事をしていく事になってな。
明日は俺もマネージャーとして、局に行かなければならねえ。
悪いが引き続きよろしく頼むわ。」
「ええ。
それが私の仕事ですし。
こうしてお二人にお手伝いただいてるのが心苦しいとさえ思ってたくらいですよ。
気にせずお仕事頑張って下さい。」
「ありがとうございます。
どうかよろしくお願いします。」
失意の中にありながらも、久美子は少し笑みを浮かべて頭を下げた。
しかし、彼ら三人の知らないところで、事態は大きく動こうとしていた。
しかし、結局は事件解決に結びつく有力な情報はなく、久美子を大いに落胆させた。
久美子は放送翌日、ジローを伴って江藤と合流し、これからについてを話し合った。
「久美子さん
やっぱり四年という月日は長すぎます。
有力な情報が得られないのも当然ですよ。」
江藤がコーヒーにミルクを入れながら言うと、久美子も力なく頷いた。
「どんな手掛かりでもいいので、何か出てくればと思ったんですけど、ダメでした。」
「まあ、しゃあねえよ。
ここは地道にあたるしかねえって。
そうだろ?江藤さん」
ジローの言葉に、江藤も同調した。
「その通りです。
幸い、私の方はそれなりに情報を集められています。
もう一つ…
何かがハマれば、一気に解決するような気がするんですが。」
「そうだな。
もう一踏ん張りだ。
江藤さん、久美子も事件のことばかり考えてるわけにはいかねえから、少しずつテレビの仕事をしていく事になってな。
明日は俺もマネージャーとして、局に行かなければならねえ。
悪いが引き続きよろしく頼むわ。」
「ええ。
それが私の仕事ですし。
こうしてお二人にお手伝いただいてるのが心苦しいとさえ思ってたくらいですよ。
気にせずお仕事頑張って下さい。」
「ありがとうございます。
どうかよろしくお願いします。」
失意の中にありながらも、久美子は少し笑みを浮かべて頭を下げた。
しかし、彼ら三人の知らないところで、事態は大きく動こうとしていた。
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