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記憶の先
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四年…
四年前…
久美子は四年前の事を必死に思い出していた。
そうだ!
四年前といえば、久美子は陽介に急激に惹かれ、恭子にちゃんと別れ話をしなければならないと思っていた頃だった。
しかし、恭子は突然連絡してこなくなり、久美子はてっきり新しい恋人でも出来たのだと判断してしまったのだった。
だが、真相は違った。
その頃、恭子は事件に巻き込まれたのかどうかは定かではないが、失踪してしまったのだ。
勇気を出して、こちらから恭子の家に電話をかければよかった…
そんなことを言っても、もはや遅すぎたが。
久美子は眠れない夜を過ごしたが、翌朝、父を仕事に送り出すと、居ても立っても居られず、身支度をして出かけた。
行き先は、勿論
恭子の実家だった。
久美子は恭子の家に向かう間、四年前の記憶をまた思い出そうと視線を天に向けていた。
成人式に一緒に行けず、ケンカとなった…
それはたしか…昭和54年の暮れの事
年が明けても、電話で口論になる事が多かった恭子と自分だったが、ある日を境に恭子は電話をかけてこなくなった。
それと時を同じくして、久美子は陽介と正式に付き合い始め、体の関係をもっていた為、恭子が離れてくれたのを自分に都合よく解釈し、自然消滅となった。
いや、自然消滅したと思っていたのは久美子だけで、実際には、恭子は失踪していたのだ。
事件?、事故?…
恭子の身に何が起きたのか
久美子は、そこから四年が経ってしまった事に後悔の念を抱きながら、恭子の実家に到着した。
大きな門構えで、庭もあるその屋敷のインターホンを鳴らした。
しばらくの間があって、女性の声で
「はい」
と、応答があった。
「あっ、あの、突然に来まして申し訳ございません。
ワタシは、恭子さんの中学時代の友人で、友谷と申します。」
「友谷?」
顔は見えなかったが、不信感が伝わってきた。
しかし、友谷という名前に反応があった。
「少しお待ち下さい。」
そう言われたので、久美子が緊張した面持ちで待っていると、ドアが開き、五十過ぎと思しき女性が顔を出した。
恭子の母、淑子であった。
久美子は、慌てて頭を下げた。
そして、ここに訪ねてきた理由を話すと、女性は表情を変えずに
「どうぞ」
と、言って中に案内してくれた。
裕福な家だけあって身なりはきちんとしているが、顔色が悪く、覇気もない。
娘が失踪してからの四年間、辛い毎日を送ってきたのだろう。
久美子はそんな事を思いながら、後をついて家の中に入っていった。
四年前…
久美子は四年前の事を必死に思い出していた。
そうだ!
四年前といえば、久美子は陽介に急激に惹かれ、恭子にちゃんと別れ話をしなければならないと思っていた頃だった。
しかし、恭子は突然連絡してこなくなり、久美子はてっきり新しい恋人でも出来たのだと判断してしまったのだった。
だが、真相は違った。
その頃、恭子は事件に巻き込まれたのかどうかは定かではないが、失踪してしまったのだ。
勇気を出して、こちらから恭子の家に電話をかければよかった…
そんなことを言っても、もはや遅すぎたが。
久美子は眠れない夜を過ごしたが、翌朝、父を仕事に送り出すと、居ても立っても居られず、身支度をして出かけた。
行き先は、勿論
恭子の実家だった。
久美子は恭子の家に向かう間、四年前の記憶をまた思い出そうと視線を天に向けていた。
成人式に一緒に行けず、ケンカとなった…
それはたしか…昭和54年の暮れの事
年が明けても、電話で口論になる事が多かった恭子と自分だったが、ある日を境に恭子は電話をかけてこなくなった。
それと時を同じくして、久美子は陽介と正式に付き合い始め、体の関係をもっていた為、恭子が離れてくれたのを自分に都合よく解釈し、自然消滅となった。
いや、自然消滅したと思っていたのは久美子だけで、実際には、恭子は失踪していたのだ。
事件?、事故?…
恭子の身に何が起きたのか
久美子は、そこから四年が経ってしまった事に後悔の念を抱きながら、恭子の実家に到着した。
大きな門構えで、庭もあるその屋敷のインターホンを鳴らした。
しばらくの間があって、女性の声で
「はい」
と、応答があった。
「あっ、あの、突然に来まして申し訳ございません。
ワタシは、恭子さんの中学時代の友人で、友谷と申します。」
「友谷?」
顔は見えなかったが、不信感が伝わってきた。
しかし、友谷という名前に反応があった。
「少しお待ち下さい。」
そう言われたので、久美子が緊張した面持ちで待っていると、ドアが開き、五十過ぎと思しき女性が顔を出した。
恭子の母、淑子であった。
久美子は、慌てて頭を下げた。
そして、ここに訪ねてきた理由を話すと、女性は表情を変えずに
「どうぞ」
と、言って中に案内してくれた。
裕福な家だけあって身なりはきちんとしているが、顔色が悪く、覇気もない。
娘が失踪してからの四年間、辛い毎日を送ってきたのだろう。
久美子はそんな事を思いながら、後をついて家の中に入っていった。
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