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生産性のない凄惨さ
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「久美子さん、お掛けになったら?」
化粧台の前の椅子を指差しながら語りかける友美子に、久美子は素直に従って腰を下ろした。
椅子を向かい合わせにして友美子も座り、結構な近距離となった。
久美子は驚きと感心をしながら友美子を見つめていた。
腰まであるストレートの美しい髪
薄めの化粧に女性らしい顔立ちの和風美人。
胸は久美子より小ぶりだが、決して貧乳ではない。
体つきも華奢で、身長は久美子と同じ160センチ台の前半で、肉付きは程よい皮下脂肪の付き方で女性らしさが際立っている。
何より肌がキレイだ。
久美子も肌の瑞々しさには自信を持っていたが、友美子も全く引けを取らない。
久美子は完全に負けたと感じた。
しかし、第三者が見れば、ほぼ互角。優劣をつけるのは不可能であった。
実際、友美子自身も、久美子には負けたと、その場で感じていたのだから。
「久美子さん、少しお互いのことを話さない?
こんなに美しい人が、どんな子供時代を送ってきたか、すごく興味があるの。」
「ワタシも友美子さんに会ったら、是非聞きたい事があって…
性転換手術の事なんですけど…」
「へえ、久美子さん興味あるの?
性転換手術に」
「はい、すごく」
「久美子さんには必要ないんじゃない?
こんなに美人なんだもの」
「全然そんな事ないです。
今、ワタシ…友美子さんのあまりの美しさに圧倒されちゃって、言葉が出ません。」
「もう、オーバーな言い回しね。
いいわ。じゃあワタシの話から聞いてくれるかな。」
「はい
よろしくお願いします。」
「ええ。
どこから話せばいいかな…
やっぱり小さい時からの話をしましょう。
ワタシは東京の郊外で、サラリーマン家庭の長男として生まれたの。
昭和三十年生まれなのよ、ワタシ
久美子さんは?」
「ワタシは三十四年生まれです。」
「何月?」
「六月です。」
「ワタシは一月生まれ。
だから、久美子さんとは五つ学年が離れてるのね。
もうオバサンだね、ワタシ」
「そんな事ないです。」
「初めて、ワタシが他の男の子と違うって感じたのは、ありがちだけど幼稚園の時。
なんでワタシ、女の子じゃないの?って」
久美子は先天的に女性になりたかったわけではないので、友美子の話は大変興味深かった。
化粧台の前の椅子を指差しながら語りかける友美子に、久美子は素直に従って腰を下ろした。
椅子を向かい合わせにして友美子も座り、結構な近距離となった。
久美子は驚きと感心をしながら友美子を見つめていた。
腰まであるストレートの美しい髪
薄めの化粧に女性らしい顔立ちの和風美人。
胸は久美子より小ぶりだが、決して貧乳ではない。
体つきも華奢で、身長は久美子と同じ160センチ台の前半で、肉付きは程よい皮下脂肪の付き方で女性らしさが際立っている。
何より肌がキレイだ。
久美子も肌の瑞々しさには自信を持っていたが、友美子も全く引けを取らない。
久美子は完全に負けたと感じた。
しかし、第三者が見れば、ほぼ互角。優劣をつけるのは不可能であった。
実際、友美子自身も、久美子には負けたと、その場で感じていたのだから。
「久美子さん、少しお互いのことを話さない?
こんなに美しい人が、どんな子供時代を送ってきたか、すごく興味があるの。」
「ワタシも友美子さんに会ったら、是非聞きたい事があって…
性転換手術の事なんですけど…」
「へえ、久美子さん興味あるの?
性転換手術に」
「はい、すごく」
「久美子さんには必要ないんじゃない?
こんなに美人なんだもの」
「全然そんな事ないです。
今、ワタシ…友美子さんのあまりの美しさに圧倒されちゃって、言葉が出ません。」
「もう、オーバーな言い回しね。
いいわ。じゃあワタシの話から聞いてくれるかな。」
「はい
よろしくお願いします。」
「ええ。
どこから話せばいいかな…
やっぱり小さい時からの話をしましょう。
ワタシは東京の郊外で、サラリーマン家庭の長男として生まれたの。
昭和三十年生まれなのよ、ワタシ
久美子さんは?」
「ワタシは三十四年生まれです。」
「何月?」
「六月です。」
「ワタシは一月生まれ。
だから、久美子さんとは五つ学年が離れてるのね。
もうオバサンだね、ワタシ」
「そんな事ないです。」
「初めて、ワタシが他の男の子と違うって感じたのは、ありがちだけど幼稚園の時。
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