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雌雄
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久美子が病院で鉢合わせになったのは、松永友美子だった。
そう、同じ芸能人であるから、その顔を知っていたのだ。
会ったこともないのに。
「あら、友谷久美子さん?
こんなところで初顔合わせをするなんてね」
友美子はそう言って笑った。
「初めまして松永さん
友谷久美子と申します。」
久美子は立ち上がって深々と頭を下げた。
「そう硬くならないで。
別にワタシはあなたに何のお世話もしてないんだから。」
友美子はまた笑って言った。
松永友美子は、久美子と同じレディーボーイのタレントである。
久美子と同じ時期に芸能活動を始めたが、年齢は二十代半ばと、久美子より年上だった。
久美子も美しいが、友美子もそれに引けを取らないくらいの美貌を誇っている。
久美子が大阪出身で友美子が東京出身なので、業界関係者は、西の友谷久美子、東の松永友美子と呼び、彼女らの美貌を讃えた。
ただし、久美子と友美子の間には決定的な違いがあった。
それは、久美子がペニス付きなのに対し、友美子は完全に下を取り、いわゆる性転換手術を行い、女性器を手に入れていた事だった。
レディーボーイの世界も色々好みがあって、サオ付きが良いという者がいれば、女性器を好む者も存在した。
しかし、どちらがウケるかというと…
数年前にカルーセル麻紀がモロッコで性転換手術を受けたという衝撃的なニュースがあって以降は、やや完全性転換者の方が優勢になっていた。
今の芸能界は、この若い二人のレディーボーイが牽引してると言っても過言ではなく、二人は会った事はなかったが、お互いに意識はしていた。
「久美子さん
ワタシ、一度あなたとお話をしてみたかったのよ。」
「ワタシもです。」
「今度どこかでお食事でもしながら語り合いたいわね。」
「是非。」
久美子は頭を深々と下げて、病院を出てきた。
友美子は社交辞令でそう言ったのかはわからなかったが、久美子は外から病院の方を振り返り
「あーっ、びっくりしたあ」
と、胸を撫でながら独り言を言った。
そう、同じ芸能人であるから、その顔を知っていたのだ。
会ったこともないのに。
「あら、友谷久美子さん?
こんなところで初顔合わせをするなんてね」
友美子はそう言って笑った。
「初めまして松永さん
友谷久美子と申します。」
久美子は立ち上がって深々と頭を下げた。
「そう硬くならないで。
別にワタシはあなたに何のお世話もしてないんだから。」
友美子はまた笑って言った。
松永友美子は、久美子と同じレディーボーイのタレントである。
久美子と同じ時期に芸能活動を始めたが、年齢は二十代半ばと、久美子より年上だった。
久美子も美しいが、友美子もそれに引けを取らないくらいの美貌を誇っている。
久美子が大阪出身で友美子が東京出身なので、業界関係者は、西の友谷久美子、東の松永友美子と呼び、彼女らの美貌を讃えた。
ただし、久美子と友美子の間には決定的な違いがあった。
それは、久美子がペニス付きなのに対し、友美子は完全に下を取り、いわゆる性転換手術を行い、女性器を手に入れていた事だった。
レディーボーイの世界も色々好みがあって、サオ付きが良いという者がいれば、女性器を好む者も存在した。
しかし、どちらがウケるかというと…
数年前にカルーセル麻紀がモロッコで性転換手術を受けたという衝撃的なニュースがあって以降は、やや完全性転換者の方が優勢になっていた。
今の芸能界は、この若い二人のレディーボーイが牽引してると言っても過言ではなく、二人は会った事はなかったが、お互いに意識はしていた。
「久美子さん
ワタシ、一度あなたとお話をしてみたかったのよ。」
「ワタシもです。」
「今度どこかでお食事でもしながら語り合いたいわね。」
「是非。」
久美子は頭を深々と下げて、病院を出てきた。
友美子は社交辞令でそう言ったのかはわからなかったが、久美子は外から病院の方を振り返り
「あーっ、びっくりしたあ」
と、胸を撫でながら独り言を言った。
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