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奇譚
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ジローのしらけぶりに、窪田が焦り、しゃべりまくという図は延々と続き、時間だけが経過した。
さすがの久美子もキツくなってきていたが…
「さて、そろそろお開きにしますか。」
もうこれ以上は無理だと判断した窪田が〆ることを提案すると言うジローも頷いた。
こうして地獄の時間から久美子は解放された。
窪田が三人分の支払いを済ませ、外に出た。
「窪田さん。
ご馳走していただいて、すみません。」
久美子が恐縮気味に言うと、窪田は笑って首を横に振った、
「こんなので改まって礼を言われると心苦しいよ。
今度はもうちょっと高級な店にお誘いするよ。
そこでタクシー捕まえられるから。
久美子ちゃんはどこに住んでんの?」
「ワタシは江東区です。
東大島の方で…」
「なんだ、ジローちゃんも江東区だよ。
門仲だよね?」
「うん。
じゃあ、久美子は俺と帰るか。」
「いいんですか?」
「当たり前だ。
女子供とオカマには金は出させんよ。」
ジローはそう言って笑った。
ようやく自分に話しかけてきたジローに対し、固辞すると空気が悪くなると思った久美子は
「金村さん
それじゃあ、申し訳ないんですが、ご一緒させて下さい。」
と、言って頭を下げた。
「その方がいいよ。
久美子ちゃんの家に寄ってから、自分の家に帰るんだよ
いいね?ジローさん」
「わかったわかった。
皆まで言うな」
ジローは窪田を手払いしながら言った。
「それじゃあ、俺帰るわ。
久美子ちゃん、また飲みに行こうね。」
「はい。是非また誘って下さい。」
窪田は上機嫌で、タクシーの中に入っても手を振り続けていた。
窪田の乗ったタクシーが走り去るのを見つめていたジローと久美子だったが
「よし、こちらも帰るとするか」
と、いうジローの言葉に小さく頷いた。
ちょうど通りかかったタクシーを止め、後部座席に乗り込んだ二人だったが、やはり密室でオカマ嫌いのジローとすごすのは苦痛でしかなく、社交的で人たらしと言われる久美子も、さすがにムリ…と思ってしまった。
しかし、店とは打って変わって、ジローはタクシーの中では饒舌だった。
「久美子は男と経験あるのか?」
話す内容は下ネタだったが…
赤裸々に話すのはオカマ嫌いのジローにはどうなのかと、久美子も一瞬考えたが、正直に答える方がいいと判断した。
「はい。あります。」
「ほう、オカマのセックスってどうやるんだ?
ケツ掘られるのか?」
「あ、そうです。
お尻は使いますね」
何を言ってるんだろう…ワタシは…
久美子はそんな思いに包まれながら、この閉鎖された時間をすごしていた。
さすがの久美子もキツくなってきていたが…
「さて、そろそろお開きにしますか。」
もうこれ以上は無理だと判断した窪田が〆ることを提案すると言うジローも頷いた。
こうして地獄の時間から久美子は解放された。
窪田が三人分の支払いを済ませ、外に出た。
「窪田さん。
ご馳走していただいて、すみません。」
久美子が恐縮気味に言うと、窪田は笑って首を横に振った、
「こんなので改まって礼を言われると心苦しいよ。
今度はもうちょっと高級な店にお誘いするよ。
そこでタクシー捕まえられるから。
久美子ちゃんはどこに住んでんの?」
「ワタシは江東区です。
東大島の方で…」
「なんだ、ジローちゃんも江東区だよ。
門仲だよね?」
「うん。
じゃあ、久美子は俺と帰るか。」
「いいんですか?」
「当たり前だ。
女子供とオカマには金は出させんよ。」
ジローはそう言って笑った。
ようやく自分に話しかけてきたジローに対し、固辞すると空気が悪くなると思った久美子は
「金村さん
それじゃあ、申し訳ないんですが、ご一緒させて下さい。」
と、言って頭を下げた。
「その方がいいよ。
久美子ちゃんの家に寄ってから、自分の家に帰るんだよ
いいね?ジローさん」
「わかったわかった。
皆まで言うな」
ジローは窪田を手払いしながら言った。
「それじゃあ、俺帰るわ。
久美子ちゃん、また飲みに行こうね。」
「はい。是非また誘って下さい。」
窪田は上機嫌で、タクシーの中に入っても手を振り続けていた。
窪田の乗ったタクシーが走り去るのを見つめていたジローと久美子だったが
「よし、こちらも帰るとするか」
と、いうジローの言葉に小さく頷いた。
ちょうど通りかかったタクシーを止め、後部座席に乗り込んだ二人だったが、やはり密室でオカマ嫌いのジローとすごすのは苦痛でしかなく、社交的で人たらしと言われる久美子も、さすがにムリ…と思ってしまった。
しかし、店とは打って変わって、ジローはタクシーの中では饒舌だった。
「久美子は男と経験あるのか?」
話す内容は下ネタだったが…
赤裸々に話すのはオカマ嫌いのジローにはどうなのかと、久美子も一瞬考えたが、正直に答える方がいいと判断した。
「はい。あります。」
「ほう、オカマのセックスってどうやるんだ?
ケツ掘られるのか?」
「あ、そうです。
お尻は使いますね」
何を言ってるんだろう…ワタシは…
久美子はそんな思いに包まれながら、この閉鎖された時間をすごしていた。
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