泥々の川

最後まで

「恭子ちゃん、痛くない？」

最後まで挿入できた事がわかり、百恵は恭子に質問した。

「うん。
大丈夫…」

恭子はそう言って二度小さく頷いたので、百恵はフィニッシュすべく激しく腰を振り始めた。

あとは時間との勝負である。

恭子の中に射精出来るか
それとも萎えてしまい中折れするか

なるべくなら成功したいと、百恵はプロのプライドを賭けて追い込みをかけた。


恭子も百恵に対する愛情と、百恵のテクニックにより、初めてとは思えないほど感じていた。


「ああっ！袮留君！

イクッ！」

初めてなのに、恭子はイッてしまった。


それを見て、百恵も安心した様子で恭子の中に精液をぶちまけた。

と、言っても透明な液をチョロチョロとだが。


恭子は放心状態で、仰向けになったまま息をゼェゼェいわせた。

百恵は恭子の耳元に再び顔を持ってきて

「なんとか出来たね」

と、言った。

恭子は何も答えず、百恵の唇にむしゃぶりつき、舌を絡めたのだった。

激しいキスを終えると、百恵は

「ワタシの精液ってもう精子がいないから、妊娠する心配ないし、安心してね」

と、言った。


「袮留君の子供だったら妊娠してもよかったのに…」

と、恭子は言い、またキスをした。

二人はしばらく抱き合っていたが、時間となってしまい、仕方なく服を着始めた。

ブラを着けながら、恭子は

「袮留君、やっぱり私はあなたを心から愛してるって、再認識したわ。
絶対に諦めないわ。
何が何でもあなたと結婚する。」

ハッキリとした口調で言い切った。


「恭子ちゃん…」


「ねえ、男じゃなくて女としてみてどうだった？
正直な感想を聞かせて。

やっぱり男の方がいい？」


恭子にストレートに聞かれた百恵は、自らもブラを着け、パンティーを履きながら

「恭子ちゃん

思ってたより良かったよ」

と、答えた。

しかし、続けて

「でも、ワタシの体見たでしょ？

もう男じゃないって認識したでしょ？
女になったわけでもないけど

それ見て、恭子ちゃんはどう思った？」

と、逆質問をした。


「うん。完璧に女性の胸だったし、匂いも柔らかさも女子そのものだった。

でも、やっぱり中身は私の大好きな優しくて素敵な袮留君だってわかったわ。

だから、全然気にしない。

これからもあなただけを愛するわ。
そう決めたの。」

恭子は力強い言葉で百恵に言った。

百恵はそれ以上何も言えなかった。

恭子によって男だった時の名残を呼び戻されたのは間違いない。
でも、自分の体も心象も男のそれではないのだ。

それゆえに、百恵は何も言えなくなったのだった。