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「ねえねえ、ウチらと遊んでいけへん?」
マキは駅から出てきた中年の男に声をかけた。
「おっ、二人ともべっぴんさんやないか。」
「安うしとくで。」
「おう、なんぼやねん」
「その前に、ウチらレディーボーイやねんけど。」
マキがあっさりとした言い方で自分達の正体を伝えると
「なんや!
オカマか、お前ら。
気色悪いのう!
どっか行け!」
男は途端にキレて、悪態をついて去っていった。
「百恵、まあこんなもんやわ。
オカマやてわかった途端、大体こうなる。
やっぱり、女やと思わせといて素股で上手い事気付かれんように終わらせなあかんかもなあ。」
マキはタバコを咥え、火をつけながら言った。
「でも、それでもしバレてしもたら、酷い目に遭わされますよ。
そんなん、ウチ…怖いです。」
「そやなあ。
それがあるねんなあ。
困ったもんや。
常連さんだけで食べていけたら、それに越した事はないんやけど。
そんなに通ってもくれへんし…」
マキはそう言って、タバコを燻らしながら辺りを見回していた。
そのとき、背中をポンポンと叩いてくる者がいた。
マキより百恵が先に振り返ると、化粧の派手な女が二人立っていた。
「アンタら、大野のおっさんのところのオカマやろ?」
向かって左側に立つ年増の女の方がイラついた口調で言った。
「せやけど、何なん?」
「あのなあ、ココはウチらのシマや。
アンタらみたいなゲテモノが来るとこちゃうねん。
早よ消えーや!」
「何がウチらのシマや?
そんなん誰が決めてん。ワタシらが立ちんぼしてもええはずや。
ここは自由競争の場やで。」
「オカマは頭が悪いのう。
ええか、言うといたるけど、お前らのようなオトコオンナが立っとったら、こっちの商売にも影響して、この辺の土地の評判も悪なるねん。
早よ消えへんと、ウチらのバックの人らを連れてこなあかんようになるで。」
右側の比較的若めの女が、汚い言葉で二人を罵った。
マキはカチンときて、顔を真っ赤にして反論しようとしたが、百恵が間に入った。
「姉さん、帰りましょ」
百恵はマキの両腕を持ち、強引にその場から離れたのだった。
「もう、何で止めるんよ!
あんな風に馬鹿にされて。
オカマ、オカマ言うて…」
マキは怒りに満ちた表情で、自分の肩を抱いて歩く百恵に訴えかけた。
「姉さんが素敵な人やいうのはウチが一番わかっています。
だから、機嫌直して帰りましょう。
家帰ったら、ウチがあんましてあげます。
お父さんにずっとさせられてたから、結構上手いんですよ。」
と、百恵は話題を変えた。
マキは少しイラついて、百恵に何か言おうとしたが、結局は何も言わなかった。
何故なら、百恵が泣いていたからである。
「なんや、アンタも悔しいやんか…」
マキは百恵の肩を抱いて呟くように言った。
「うぅっ…
ちゃいます。
ウチ、去勢して女性ホルモンし始めてからよう泣くようになってしもたんです。
ホンマ、ちょっとした事でも泣くようになってしもて…
フフッ」
百恵は、マキに向かって無理に笑顔を作って言った。
マキは駅から出てきた中年の男に声をかけた。
「おっ、二人ともべっぴんさんやないか。」
「安うしとくで。」
「おう、なんぼやねん」
「その前に、ウチらレディーボーイやねんけど。」
マキがあっさりとした言い方で自分達の正体を伝えると
「なんや!
オカマか、お前ら。
気色悪いのう!
どっか行け!」
男は途端にキレて、悪態をついて去っていった。
「百恵、まあこんなもんやわ。
オカマやてわかった途端、大体こうなる。
やっぱり、女やと思わせといて素股で上手い事気付かれんように終わらせなあかんかもなあ。」
マキはタバコを咥え、火をつけながら言った。
「でも、それでもしバレてしもたら、酷い目に遭わされますよ。
そんなん、ウチ…怖いです。」
「そやなあ。
それがあるねんなあ。
困ったもんや。
常連さんだけで食べていけたら、それに越した事はないんやけど。
そんなに通ってもくれへんし…」
マキはそう言って、タバコを燻らしながら辺りを見回していた。
そのとき、背中をポンポンと叩いてくる者がいた。
マキより百恵が先に振り返ると、化粧の派手な女が二人立っていた。
「アンタら、大野のおっさんのところのオカマやろ?」
向かって左側に立つ年増の女の方がイラついた口調で言った。
「せやけど、何なん?」
「あのなあ、ココはウチらのシマや。
アンタらみたいなゲテモノが来るとこちゃうねん。
早よ消えーや!」
「何がウチらのシマや?
そんなん誰が決めてん。ワタシらが立ちんぼしてもええはずや。
ここは自由競争の場やで。」
「オカマは頭が悪いのう。
ええか、言うといたるけど、お前らのようなオトコオンナが立っとったら、こっちの商売にも影響して、この辺の土地の評判も悪なるねん。
早よ消えへんと、ウチらのバックの人らを連れてこなあかんようになるで。」
右側の比較的若めの女が、汚い言葉で二人を罵った。
マキはカチンときて、顔を真っ赤にして反論しようとしたが、百恵が間に入った。
「姉さん、帰りましょ」
百恵はマキの両腕を持ち、強引にその場から離れたのだった。
「もう、何で止めるんよ!
あんな風に馬鹿にされて。
オカマ、オカマ言うて…」
マキは怒りに満ちた表情で、自分の肩を抱いて歩く百恵に訴えかけた。
「姉さんが素敵な人やいうのはウチが一番わかっています。
だから、機嫌直して帰りましょう。
家帰ったら、ウチがあんましてあげます。
お父さんにずっとさせられてたから、結構上手いんですよ。」
と、百恵は話題を変えた。
マキは少しイラついて、百恵に何か言おうとしたが、結局は何も言わなかった。
何故なら、百恵が泣いていたからである。
「なんや、アンタも悔しいやんか…」
マキは百恵の肩を抱いて呟くように言った。
「うぅっ…
ちゃいます。
ウチ、去勢して女性ホルモンし始めてからよう泣くようになってしもたんです。
ホンマ、ちょっとした事でも泣くようになってしもて…
フフッ」
百恵は、マキに向かって無理に笑顔を作って言った。
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