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娘の彼氏
しおりを挟む楓悟の人見知りしない性格と行動により、お母さんとすぐに打ち解ける事が出来たみたい…
「楓悟君、時間は大丈夫?」
お母さんは、改札を出たところで楓悟に聞いた。
「はい。僕は全然大丈夫です。」
「だったら少しお茶でも飲んで行きませんか。」
「はい、喜んで。」
何よ、ソレ…
「雫、どこかお店ない?」
「うーん、その奥にスタバがあるけど混んでると思うし。」
「地下に降りた方がええんとちがう?」
楓悟は、ワタシの耳元で小さな声で言った。
「そうだね。
地下に行こう」
ワタシは、お母さんにそう言い、三人で駅を出てすぐ右にある細ーいエスカレーターで地下に降りた。
「どこがいいかなあ」
ワタシは地元民として、岡山に慣れていないお母さんをリードすべくお店探しをした…
っていうのは冗談だけど。
「ねえ、雫
そこのケーキ屋さん、奥に食べられる席があるんじゃない?」
お母さんは「HAKUJUJI」というお店を指差して言った。
「お母さん、楓悟って実家がケーキ屋さんなの。
あんまりケーキは…」
「えっ、楓悟君ってそうなの?」
「はい。実家がそうなんです。
僕も専門学校出たら、親の後を継ごうと考えています。」
「偉いわね、その年でしっかり人生の目標があって。」
「いえ、そんな事は…
でも、実家以外のケーキを勉強のためによく食べるんで、全然ここでいいですよ。」
楓悟のこの台詞が決め手となり、ワタシ達はHAKUJUJIに入る事にした。
三人ともケーキとコーヒーを頼み、話をしたんだけど、話題は勿論、ワタシの高校編入について。
「でも、雫
アンタ、例の件があってから高校に行くのやめてしまって、そのまま退学したでしょ?
今度行く学校じゃあ、単位が足りないんじゃない?」
お母さんは三年生として通えるのかどうかを心配しているみたいだった。
「ワタシの場合、言ってみれば不慮の事故に巻き込まれてしまったようなもんだし、その後通信制の高校に入り直した事も考慮されて、後は知事さんとか色んな方のお力を貸して頂いて、特例が認められたってわけ。
三年生のクラスに編入よ。」
「それはよかったわね。
でも、高校ってなると、不安は大きいわね。
楓悟君、大丈夫かしら…」
「はい。それについては僕も心配しています。
共学だし、変な男子に声をかけられないかって…」
おい、親にそんな事言うヤツがよっぽど変な男子だよ!
でも、お母さんは、少し驚きはしたけど、楓悟のワタシに対する想いがよくわかったって、家に帰ってから、すごく喜んでくれた。
恥ずっ
「楓悟君、時間は大丈夫?」
お母さんは、改札を出たところで楓悟に聞いた。
「はい。僕は全然大丈夫です。」
「だったら少しお茶でも飲んで行きませんか。」
「はい、喜んで。」
何よ、ソレ…
「雫、どこかお店ない?」
「うーん、その奥にスタバがあるけど混んでると思うし。」
「地下に降りた方がええんとちがう?」
楓悟は、ワタシの耳元で小さな声で言った。
「そうだね。
地下に行こう」
ワタシは、お母さんにそう言い、三人で駅を出てすぐ右にある細ーいエスカレーターで地下に降りた。
「どこがいいかなあ」
ワタシは地元民として、岡山に慣れていないお母さんをリードすべくお店探しをした…
っていうのは冗談だけど。
「ねえ、雫
そこのケーキ屋さん、奥に食べられる席があるんじゃない?」
お母さんは「HAKUJUJI」というお店を指差して言った。
「お母さん、楓悟って実家がケーキ屋さんなの。
あんまりケーキは…」
「えっ、楓悟君ってそうなの?」
「はい。実家がそうなんです。
僕も専門学校出たら、親の後を継ごうと考えています。」
「偉いわね、その年でしっかり人生の目標があって。」
「いえ、そんな事は…
でも、実家以外のケーキを勉強のためによく食べるんで、全然ここでいいですよ。」
楓悟のこの台詞が決め手となり、ワタシ達はHAKUJUJIに入る事にした。
三人ともケーキとコーヒーを頼み、話をしたんだけど、話題は勿論、ワタシの高校編入について。
「でも、雫
アンタ、例の件があってから高校に行くのやめてしまって、そのまま退学したでしょ?
今度行く学校じゃあ、単位が足りないんじゃない?」
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「ワタシの場合、言ってみれば不慮の事故に巻き込まれてしまったようなもんだし、その後通信制の高校に入り直した事も考慮されて、後は知事さんとか色んな方のお力を貸して頂いて、特例が認められたってわけ。
三年生のクラスに編入よ。」
「それはよかったわね。
でも、高校ってなると、不安は大きいわね。
楓悟君、大丈夫かしら…」
「はい。それについては僕も心配しています。
共学だし、変な男子に声をかけられないかって…」
おい、親にそんな事言うヤツがよっぽど変な男子だよ!
でも、お母さんは、少し驚きはしたけど、楓悟のワタシに対する想いがよくわかったって、家に帰ってから、すごく喜んでくれた。
恥ずっ
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