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「雫ちゃん、明日は何か予定あるの?」
叔母さんの質問に、ワタシは頷き
「明日は病院なんです」
と、答えた。
「病院?」
賢太が不思議そうに聞き返してきたので、ワタシの体についての補足説明をした。
「タイで間違って性転換手術を受けた際に、すごくお世話になった神野先生って方が、岡山の大学病院にいて、明日は久しぶりにその先生に診てもらうんです」
「大学病院て岡大?」
「あ、そうです。」
叔父さんが会話に入ってきたので、ワタシは反対方向を向き、返事をした。
「何時?」
「十時なんで、少し早めに行っとこうかなって。
この辺の土地勘が全然ないから、迷っちゃダメなんで。」
「雫ちゃん、岡大の近くにおじさんが働いてるスーパーの本部があるんだ。
病院とは目と鼻の先にね。
明日、車に乗っけてくよ。」
「えっ、いいんですか。」
「うん。
九時二十分くらいにここを出れば、余裕で着くし、ちょっと前になったら声をかけるよ。」
「ありがとうございます。」
おじさんもおばさんも、お婆ちゃんも
そして賢太も、この家の人はみんな親切だわ。
来てよかった。
食事の後、部屋に戻り、しばらく楓悟とLINEのやり取りを行った。
まあ、マメというか、積極的というか、典型的な男子高校生なヤツだけど、なんか可愛く思える。
ワタシも少しずつ返信をするんだけど、楓悟は即既読になり、即返ってくる。
ワタシが時間を置いて返信してるのは、自分の価値を高めようとかじらそうとしてるとか、そういう駆け引き的な事じゃなくて、要は女子らしい文章になってるか、何回も読み返してから送っているからだ。
絵文字、顔文字、表現スタイルなど、ネットを参考にしたり、過去に元祖雫とやり取りしていた文章を見返して、慎重に送っている。
せっかくこんなところまで移り住んできて、こんなに早く正体がバレたら嫌だもん。
翌朝、ワタシは叔父さんの車に乗せてもらい、大学病院の入り口のところに着いた。
「ここで、いいかな?」
「はい。
ありがとうございます。」
「僕の働いてるところ、ホラ
そこに見えとるじゃろ?」
「あ、ホントだ
すごく近いですね」
「じゃあ、気をつけてね」
おじさんはワタシを車から降ろすと、手を挙げて颯爽と走り去っていった。
さあ、久しぶりの神野先生との対面だ。
なんて言われれるかなあ。
叔母さんの質問に、ワタシは頷き
「明日は病院なんです」
と、答えた。
「病院?」
賢太が不思議そうに聞き返してきたので、ワタシの体についての補足説明をした。
「タイで間違って性転換手術を受けた際に、すごくお世話になった神野先生って方が、岡山の大学病院にいて、明日は久しぶりにその先生に診てもらうんです」
「大学病院て岡大?」
「あ、そうです。」
叔父さんが会話に入ってきたので、ワタシは反対方向を向き、返事をした。
「何時?」
「十時なんで、少し早めに行っとこうかなって。
この辺の土地勘が全然ないから、迷っちゃダメなんで。」
「雫ちゃん、岡大の近くにおじさんが働いてるスーパーの本部があるんだ。
病院とは目と鼻の先にね。
明日、車に乗っけてくよ。」
「えっ、いいんですか。」
「うん。
九時二十分くらいにここを出れば、余裕で着くし、ちょっと前になったら声をかけるよ。」
「ありがとうございます。」
おじさんもおばさんも、お婆ちゃんも
そして賢太も、この家の人はみんな親切だわ。
来てよかった。
食事の後、部屋に戻り、しばらく楓悟とLINEのやり取りを行った。
まあ、マメというか、積極的というか、典型的な男子高校生なヤツだけど、なんか可愛く思える。
ワタシも少しずつ返信をするんだけど、楓悟は即既読になり、即返ってくる。
ワタシが時間を置いて返信してるのは、自分の価値を高めようとかじらそうとしてるとか、そういう駆け引き的な事じゃなくて、要は女子らしい文章になってるか、何回も読み返してから送っているからだ。
絵文字、顔文字、表現スタイルなど、ネットを参考にしたり、過去に元祖雫とやり取りしていた文章を見返して、慎重に送っている。
せっかくこんなところまで移り住んできて、こんなに早く正体がバレたら嫌だもん。
翌朝、ワタシは叔父さんの車に乗せてもらい、大学病院の入り口のところに着いた。
「ここで、いいかな?」
「はい。
ありがとうございます。」
「僕の働いてるところ、ホラ
そこに見えとるじゃろ?」
「あ、ホントだ
すごく近いですね」
「じゃあ、気をつけてね」
おじさんはワタシを車から降ろすと、手を挙げて颯爽と走り去っていった。
さあ、久しぶりの神野先生との対面だ。
なんて言われれるかなあ。
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