上 下
21 / 55

mentally

しおりを挟む
バッチリメイクが終わると、俺たちはまた部屋に戻って話の続きを始めようとしたんだけど…

広野さんは、何故かお母さんにも加わって欲しいと告げ、三人でリビングに移動した。


「お母さま
わざわざ入っていただいて申し訳ありません。」


「いえ。
ありがとうございます。

嬉しいです。
私も広野さんに色々聞いてみたい事があったので。」


広野さんは頷き、今度は俺に向かって話を始めた。


「翔太クン

今日、ワタシがここに来させてもらったのは、あなたが女性として生きる事を決めたって聞いたからなの。

それだったらワタシにもアドバイス出来る事があるかなって。
それと、元々女の子になりたいなんて思ってたわけじゃないから、これからはお母さまの協力も必要になってくるので、お話の場に入っていただきました。」


「そうですか。
色々とありがとうございます。」


「先ずは、化粧をしてみてどうだった?

自分の姿を見て」


「はい。
自分じゃないみたいで、不思議な感覚です。」


「そうだね。
翔太クンは元々可愛い顔してるから、そんなに努力しなくても高い水準が保てると思うわ。

でも、その他については相当な努力が必要になってくる。」


「努力ですか…

たとえば?」


「そうね。
翔太クンの顔だけを見れば、女の子だって言っても十分に通用するわ。
それはワタシが保証する。

でも、今外出したとして、世間の人にあなたが女性だって思ってもらえるかしら?」


「いえ、ムリです。」


「そう。だって服装が完全に男子だし、歩き方とか仕草も多分男の子丸出しなはず。」


「はい」


「ワタシとか元々女子になりたいって思ってた人間は、小さい時から女性の服装とかにすごく興味があって、ファッション誌とかに目を通すのが好きだったの。

でも、翔太クンはそんなのに全く興味なかっただろうし、知識として全然ないわけ。

女性ものの服を買えって言われても、何買っていいかわからないでしょ?」


「はい。
全然、わかりません」


「お母さま

ある程度知識が付いて馴れてくるまでは、お母さまの協力が必要だと思います。

アドバイスをしてあげて下さい。」


「はい。
それは、もう…」


「あと、仕草や声の出し方については、ある程度訓練したらクリア出来ると思うから、それは心配しないで。
ワタシが教えてあげるから。」


「俺も、広野さんみたいな話し方や声が出せるってことですか?」


「勿論よ。
あ、それと、自分の事を俺って呼ぶのはもうやめなさい。
そんなのは今後の人生で使わないから。」


「わかりました…

俺…いや、ワタシはあと、何をすれば…」


「そうね。

脱毛かな」


「脱毛?」


「見たところ、ヒゲとかは大丈夫みたいだから必要ないと思うけど、脇とかスネとか毛あるでしょ?」


「あります…」


「早めに永久脱毛に通ってキレイにしといた方がいいね。」

広野さんは俺…いや、ワタシを見つめながらハッキリと言った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

或る実験の記録

フロイライン
BL
謎の誘拐事件が多発する中、新人警官の吉岡直紀は、犯人グループの車を発見したが、自身も捕まり拉致されてしまう。

転職してOLになった僕。

大衆娯楽
転職した会社で無理矢理女装させられてる男の子の話しです。 強制女装、恥辱、女性からの責めが好きな方にオススメです!

ようこそ、悲劇のヒロインへ

一宮 沙耶
大衆娯楽
女性にとっては普通の毎日のことでも、男性にとっては知らないことばかりかも。 そんな世界を覗いてみてください。

ニューハーフ極道ZERO

フロイライン
BL
イケイケの若手ヤクザ松山亮輔は、ヘタを打ってニューハーフにされてしまう。 激変する環境の中、苦労しながらも再び極道としてのし上がっていこうとするのだが‥

ニューハーフな生活

フロイライン
恋愛
東京で浪人生活を送るユキこと西村幸洋は、ニューハーフの店でアルバイトを始めるが

男子中学生から女子校生になった僕

大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。 普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。 強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!

pretty preschool teacher

フロイライン
BL
愛多幼稚園新人教諭の石川遥は、その美貌と優しい性格から、子供達は勿論のこと、その保護者からも圧倒的な支持が寄せられていた。 しかし、遥には誰にも言えない秘密があった…

処理中です...