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診察
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今日は、車で一時間ぐらいの距離にある某大学病院にお母さんと来ている。
ここまで来るのに一苦労した。
本橋やその親に見つからないようにしなきゃなんないし…
あ、俺をタイで診察してくれた神野先生は地方の大学なので、気軽には行けない。
その代わりに紹介状を書いてくれた。
何でもここの先生は神野先生の後輩らしい。
武田先生っていう方だ。
「こんにちは、酒井さん
さあ、どうぞ
こちらにおかけになって下さい。」
武田先生は三十代半ば?かな
スポーツマンタイプで髪も短く、色黒な人だ。
「話は神野先生から聞いています。
色々大変でしたね」
「いえ…
もうどうする事も出来ませんので、これからどうしていくか…
それを先生にご相談したくて…」
俺は、思ってる事全てを素直に話した。
「そうですか。
酒井さんは前向きに考えてくれているんですね。」
「うーん
前向きっていうよりも、諦めたって感じですかねえ」
「そうですね。
酒井さん
私に出来る事は精一杯サポートしていくつもりですので、一緒に頑張っていきましょう。」
「はい。
よろしくお願いします。
あの、早速なんですけど、ホルモン治療について、もう一度話をお聞きしたいんですけど」
俺がそう言うと、隣に座ったお母さんもうんうんと頷いた。
「わかりました。
神野先生からお聞きしているかと思いますが、現在の酒井さんの体は、精巣が無くなった事により、ホルモンの内分泌が正常に行われていない状況にあります。
ホルモンというものは、生きていく上で絶対に必要なものであり、これを避けて通る事は出来ません。
性同一性障害で酒井さんと同じような手術を受けた人は、全てそのような状態になりますので、それを防ぐために人工的にホルモンを体に投与する、いわゆるホルモン治療を行います」
「はい」
「普通、男性から女性になった人は、女性ホルモンの投与を行いますが、酒井さんは性自認が男性のため、女性ホルモンを投与すると、簡単に決めてしまう事が出来ないのです。
当然、女性ホルモンの投与を続けると、体の女性化や、精神的な変化がもたらされますが、酒井さんにとってその事は苦痛になるかもしれないからです。」
「そうですね…」
「もう一つの方法は、逆に男性ホルモンの投与をして、男性に戻るというものです。
もう一度手術をして、人工的に男性器を作る事も可能は可能です
ただし…」
「ただ付けるだけで男性としての機能はない
という事ですね?」
「その通りです」
武田先生は淡々と語った。
ここまで来るのに一苦労した。
本橋やその親に見つからないようにしなきゃなんないし…
あ、俺をタイで診察してくれた神野先生は地方の大学なので、気軽には行けない。
その代わりに紹介状を書いてくれた。
何でもここの先生は神野先生の後輩らしい。
武田先生っていう方だ。
「こんにちは、酒井さん
さあ、どうぞ
こちらにおかけになって下さい。」
武田先生は三十代半ば?かな
スポーツマンタイプで髪も短く、色黒な人だ。
「話は神野先生から聞いています。
色々大変でしたね」
「いえ…
もうどうする事も出来ませんので、これからどうしていくか…
それを先生にご相談したくて…」
俺は、思ってる事全てを素直に話した。
「そうですか。
酒井さんは前向きに考えてくれているんですね。」
「うーん
前向きっていうよりも、諦めたって感じですかねえ」
「そうですね。
酒井さん
私に出来る事は精一杯サポートしていくつもりですので、一緒に頑張っていきましょう。」
「はい。
よろしくお願いします。
あの、早速なんですけど、ホルモン治療について、もう一度話をお聞きしたいんですけど」
俺がそう言うと、隣に座ったお母さんもうんうんと頷いた。
「わかりました。
神野先生からお聞きしているかと思いますが、現在の酒井さんの体は、精巣が無くなった事により、ホルモンの内分泌が正常に行われていない状況にあります。
ホルモンというものは、生きていく上で絶対に必要なものであり、これを避けて通る事は出来ません。
性同一性障害で酒井さんと同じような手術を受けた人は、全てそのような状態になりますので、それを防ぐために人工的にホルモンを体に投与する、いわゆるホルモン治療を行います」
「はい」
「普通、男性から女性になった人は、女性ホルモンの投与を行いますが、酒井さんは性自認が男性のため、女性ホルモンを投与すると、簡単に決めてしまう事が出来ないのです。
当然、女性ホルモンの投与を続けると、体の女性化や、精神的な変化がもたらされますが、酒井さんにとってその事は苦痛になるかもしれないからです。」
「そうですね…」
「もう一つの方法は、逆に男性ホルモンの投与をして、男性に戻るというものです。
もう一度手術をして、人工的に男性器を作る事も可能は可能です
ただし…」
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という事ですね?」
「その通りです」
武田先生は淡々と語った。
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