聖也と千尋の深い事情

フロイライン

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秘密の時間

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「ねえねえ聖也」


「ん?」


「ワタシ、女の子の服を持ってきてるの。
着てもいい?」


「えっ、マジ?

着て着て」


「メイク道具も持ってきてるねん。」


「やった!」


ひょっとしたら、千尋の事だから持ってきてんじゃないかなって思ってたんだ。

やっぱり持ってきてた。


楽しみっ!


地元ではムリだけど、こっちなら女の子になった千尋と手繋ぎデート出来るし!


「ちょっと待ってて、お着替えとメイクしてくるから。」


「千尋って化粧出来るねんな。」


「好きやから、そういうことすんのがね。」


千尋は笑って言うと、自分の部屋に入っていった。


俺は自分の部屋に戻り、ボケーっとしながら、ベッドにゴロンと寝転んで待っていた。

千尋がどんなふうに変身するのかを楽しみにしながら。


千尋の家に行った時、アイツはスカートを履いていた。

めちゃくちゃ可愛かった。

あのときの千尋にまた会えるのか!


ワクワクを通り越して、妙な緊張感に包まれて待つ事三十分


ようやく千尋が部屋から出てきて、俺の部屋のドアをノックした。


「お待たせ。」


ドアを開けると、そこには、アイドル並みの可愛さの少女が立っていた。

白のワンピースに大きな赤いリボンをつけて、口紅も塗っているように見える。

可愛すぎる!

あり得ない!

最高や!


「めちゃくちゃ可愛い…」

俺は、ありきたりな事しか言えず、固まってしまった。


「変やない?

大丈夫?」


「うん。

ホンマに可愛いって。

あり得へんくらい。」



「もう、大袈裟やわ、聖也。」


千尋は恥ずかしそうに笑って言った。


「いや、こんな可愛い女子、見た事あらへんわ。」


「そんな事ないって。

ウチのクラスの女子、可愛い子が何人もおるやん。

佐々木祥華ちゃんとか、上田凛ちゃんなんてめちゃくちゃ可愛いやん。
ワタシ、二人の顔に憧れてんねん。」


「何言うてんねん。
レベルがちゃうわ。

千尋の方が美人や。
比べもんにならへんて。」

俺がそう答えると、千尋は嬉しそうな顔をし、俺に抱きつき、キスをしてきた。


口紅の味…

なんか、不思議な感覚に捉われた。


「千尋が口紅塗ってるから、キスの味がいつもと違う…」


「うん。

大人のキスよ」


千尋は笑って答えると、俺を見つめた。


たしかに、少し大人になったような気がした。
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