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一禍団欒
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その後、遥と拓実も下に降りてきて、圭一、美奈子、奈津子の五人での宴会が始まった。
やはり、話題は拓実のアメリカでの暮らしの話、遥の女性幼稚園教諭としての話が中心となった。
「遥ちゃんも内緒で先生やってるんなら、色々不都合あるやろ?
プールとかどうしとんな?」
「下だけ隠せたら何とかなりますので、ゆったりとしたのを履いたりして何とか誤魔化してます」
圭一の質問に丁寧に答える遥。
「胸はあるもんなあ
それ、手術したんか?」
「いえ、女性ホルモンの注射を打ってて。
何年もやってたら、多少は膨らんできたっていうか」
「ほう、そりゃすごいな。
いやいや、多少どころか、かなりの膨らみじゃ」
圭一は、自らのノンデリカシー質問に、遥は答えにくそうにし、妻の美奈子と息子の拓実からは厳しく叱責された。
「いや、すまんかった、遥ちゃん。
変な質問したねえ」
「全然大丈夫です。
こういう生き方をしようと思った時から覚悟は決めていましたので。」
遥は明るい表情だったが、力強い口調でそう答えた。
「ところで、拓実君は、アメリカの生活どうなの?」
奈津子は娘を助けるべく、拓実に話題を振った。
「いやあ、何もかも日本と違って、今も慣れませんよ。」
「でも、向こうで仕事するんでしょ?」
「そうですね。
せっかくアメリカまで行って苦労してここまで来たので、このまま帰るのももったいないなあと。」
「そうよね。
多分ないと思うけど、おばちゃんがアメリカに行った時は是非とも案内して欲しいわ。」
「叔母さん、そう言わないで、是非遊びに来てくださいよ。
食べ物はあんまりお勧め出来るものはないけど、色々見どころはありますから。」
「そうなのね。
食べ物はダメなのかあ」
「やっぱり日本が一番ですよ。
まあ、向こうも最近は日本料理とか食べさせる店も増えてきたし、こっちのチェーン店も進出してきたけど、とにかく値段が高いですから。
ラーメンなんて、郊外の店舗で食っても三千円くらい取られますよ、マジで。」
「三千円!」
「観光客が行くような場所だと五千円はしますね」
「拓実君
おばちゃん、やっぱり行くのやめとくわ。」
奈津子が言うと、皆が笑った。
母や拓実の頑張りもあり、遥は自身に向けられる好奇の目を何とか躱したのだった。
やはり、話題は拓実のアメリカでの暮らしの話、遥の女性幼稚園教諭としての話が中心となった。
「遥ちゃんも内緒で先生やってるんなら、色々不都合あるやろ?
プールとかどうしとんな?」
「下だけ隠せたら何とかなりますので、ゆったりとしたのを履いたりして何とか誤魔化してます」
圭一の質問に丁寧に答える遥。
「胸はあるもんなあ
それ、手術したんか?」
「いえ、女性ホルモンの注射を打ってて。
何年もやってたら、多少は膨らんできたっていうか」
「ほう、そりゃすごいな。
いやいや、多少どころか、かなりの膨らみじゃ」
圭一は、自らのノンデリカシー質問に、遥は答えにくそうにし、妻の美奈子と息子の拓実からは厳しく叱責された。
「いや、すまんかった、遥ちゃん。
変な質問したねえ」
「全然大丈夫です。
こういう生き方をしようと思った時から覚悟は決めていましたので。」
遥は明るい表情だったが、力強い口調でそう答えた。
「ところで、拓実君は、アメリカの生活どうなの?」
奈津子は娘を助けるべく、拓実に話題を振った。
「いやあ、何もかも日本と違って、今も慣れませんよ。」
「でも、向こうで仕事するんでしょ?」
「そうですね。
せっかくアメリカまで行って苦労してここまで来たので、このまま帰るのももったいないなあと。」
「そうよね。
多分ないと思うけど、おばちゃんがアメリカに行った時は是非とも案内して欲しいわ。」
「叔母さん、そう言わないで、是非遊びに来てくださいよ。
食べ物はあんまりお勧め出来るものはないけど、色々見どころはありますから。」
「そうなのね。
食べ物はダメなのかあ」
「やっぱり日本が一番ですよ。
まあ、向こうも最近は日本料理とか食べさせる店も増えてきたし、こっちのチェーン店も進出してきたけど、とにかく値段が高いですから。
ラーメンなんて、郊外の店舗で食っても三千円くらい取られますよ、マジで。」
「三千円!」
「観光客が行くような場所だと五千円はしますね」
「拓実君
おばちゃん、やっぱり行くのやめとくわ。」
奈津子が言うと、皆が笑った。
母や拓実の頑張りもあり、遥は自身に向けられる好奇の目を何とか躱したのだった。
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