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secret love

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「お帰りー」

遥が家に戻ると、凛太郎がリビングで寛いでいた。


「ただいま」


「ん?」


「何?」


「お前、昼飯ハンバーグだったろ?」


凛太郎の指摘に遥はビクッとした。


「えっ、なんで?」


「だって匂いがするもん
デミグラスソースみたいなやつの」


たしかに、そう言われるのは無理もない事だった。
紙エプロンをしていたが、あれだけ熱々の鉄板にソースを落とせば、服や髪に匂いが付く。


「友達とね…

お昼に食べたのよ。」



「へえ、そうなんだ。」


「うん。

リンタ、お腹空いてんだったら何か作ろうか?」



「いや、さっきコンビニで買ってきて食ったから大丈夫だよ。
それよりさあ、遥

お前、何かいい事あった?」


「えっ」


「別に根拠はねえけど、なんとなくそう思っただけ」


「別に何もないわよ。」

遥はぎこちなく言うと、自分の部屋に入っていった。


その遥と入れ替わるように、大輝がリビングに顔を出した。


「遥帰ってきたんか?」


「ああ。

なあ、大輝

遥、男が出来たんじゃね?」


「マジか!」


「多分な。
間違いない」


凛太郎は確信があるとばかりの言い方で大輝に伝えた。


「…」


大輝は、以前遥に告白してフラれたが、まだ想いを引きずっており、少し複雑な表情を見せた。

そんな事は知らない凛太郎は、ニヤニヤしながら

「何でわかったか?
って言いたそうな顔してるな」 

と、大輝に言った。
 
 
「ああ。

男が出来たってどうしてわかるんだ?」


大輝が質問すると、凛太郎はしたり顔で

「アイツ、友達と会うって言って出ていったけど、その相手っていうのは男だっだんじゃないかって思ってる。

理由は、昼にハンバーグ食ってんだよ。
それも、後から鉄板にソースをかけるやつ。」


「おいおい、それだけで何で男って事になるんだ?」


「俺の推理はこうだ。

アイツは今日、男と初めてデートした。
飯でも食うってなって、初デートだから相手に全面的に任せる事にしたが、男は自分が通う有名ハンバーグ店に決めた。」


「それなら別に女友達って事でもおかしくなくない?」


「女友達とだったら、食べに行く店は予め決めとくのがフツーだ。

もし、そのハンバーグ屋が最初から決まっていたとすれば、遥のあの服装はマッチしてない。
多分、イレギュラー的に男が誘ったんだろうな。」


「うーん…
何か無理ある推理だなあ」

大輝は凛太郎の推理が稚拙だった為、ホッとした表情に変わった。


そのとき、遥が部屋から顔を出し


「ちょっと、リンタ

テキトーな事言わないでよね!」

と、リビングの方に向かって言うと、またドアを閉めた。


「そういうことらしいぞ、リンタ」


大輝は笑って凛太郎の肩をポンと叩いた。
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