pretty preschool teacher

フロイライン

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ethics

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岩見からまた会いたいと言われた遥はパニックになってしまった。

その言葉を一蹴するのは簡単な事だったが、遥自身も岩見に好意を抱いていたのでそれも出来ず…
しかし、幼稚園教諭として自分の受け持つクラスの園児の父親とプライベートで会うということは、許されるものではない。
今、こうして会っているだけでもとても罪深い事だと思った。

しかし、その事については実際のところ大した問題ではないと、遥は考えていた。

岩見は独身であるし、本当に好きな者同士であれば恋愛に発展するのもアリなのではないかと。

やはり、遥にとって一番の問題は、自分が戸籍上は女性ではなく男性であるという事だった。

こればかりはどれだけ岩見が自分に好意を抱いていても、秘密を知れば一気に冷めるに違いない。

遥自身、恋をしてこなかった最大の理由は、自分の思いが受け入れられなかった場合、大いに傷ついてしまい、多分立ち直れないと思ったから。

特に外見が男子だった時はその思いが顕著で、女性らしい容姿になった今もその不安は払拭されていない。

岩見に対しても、まさにそれすで、好きになりそうな自分を、もう一人の自分が制限をかけてしまっていたのだ。

然るに、遥の回答はNOの一択であった。


「岩見さん…ワタシは…」


遥の表情で、良い返事がもらえないと悟った岩見は、それ以上しつこく言うことはなかった。


「すいません。石川先生

軽率な事を言ってしまい…」


「いえ、それは…
ごめんなさい」


「こうした私的な事でお誘いはもうしませんので、ご安心下さい。」


「あの、違うんです

あまりこういった事に慣れてなくて…

どうお答えしていいかわからなくて。

すみません。」


遥は岩見への好意がある事を否定したくはなく、完全に拒絶という形は取らなかった。

岩見も一旦は諦めかけたが、遥の反応を見て気を取り直した。


「あまり会いたいとか言うと困らせちゃうと思いますので

じゃあ、また相談に乗っていただいてもよろしいですか。

LINEとかで大丈夫なので。」


「あっ、はい。

それは、もう…」


遥はそう言うと、顔を真っ赤にして頭をぺこりと下げた。

岩見は、そんな遥の初々しい姿を見て、やはり自分はこの女性の事が好きなんだと確信したのだった。


岩見とは完全に切れてしまわず、今後も連絡を取り合う事を約束した遥だったが、これ以上の深入りは決してしてはならないと自分に言い聞かせた。

これ以上好きになれば、きっと悲しい結末が待っていると、確信していたからだ。
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