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recover
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大輝の励ましで、立ち直る事こそ出来なかったが、幾分は気が紛れ、遥は最悪の状態を脱した。
家に二人で帰ってくると
「お帰りー」
と、凛太郎が出迎えた。
「リンタ、なんか良い匂いしてんだけど」
大輝が鼻をクンクンさせて言うと
「おう、今日は俺が晩飯作っといたから
特製ニンニクマシマシペペロンチーノだ」
凛太郎はそう答えて笑った。
「リンタ、ありがとう
うっ…」
遥は二人の優しさに触れ、また泣き出した。
「ありゃ、遥を泣き止ませようとしたのに、また泣いちゃったよ。」
凛太郎は頭を掻いた。
それでも、少し笑顔を見せるようになった遥は、もう部屋に閉じこもることなく、テーブルに腰掛け、凛太郎の作ったパスタを食べることにした。
「さあ、食べてくれ」
あまりキレイとは言えないが、盛り付けをしたパスタを皿に乗せて運んできた凛太郎は、遥の前に真っ先にそのお皿を置いた。
そして、三人揃うと
「いただきまーす」
と、手を合わせ、食べ始めた。
遥はフォークで上手にパスタを巻き、一口目を口に運んだ。
「…
あっ、美味しい」
朝から何も食べていなかった遥は、そのパスタの味を素直に美味しいと思い、凛太郎に向かって微笑みながら頷いた。
「そうだろ?
隠し味はだし醤油なんだよ」
凛太郎は満足そうに味の秘密を語った。
「いや、隠し味てか
思いっきりだし醤油の味がする。
全然隠せてねえって」
大輝も一口食べ、その感想を述べた。
「大輝、お前、営業妨害なんだよ
遥がせっかく美味しいって言ってくれたのによー」
「それは、遥の社交辞令ってもんだろ」
「なわけねーだろ。
今さら社交辞令なんてありえねえよ。
なあ、遥」
「うん。
ホントに美味しいよ」
遥はもう一口食べて頷いた。
「ほらな!
センスあんだよ、俺は」
「よし、明日は俺が作るわ
楽しみにしとけよ」
大輝は凛太郎のパスタに感化され、翌日の晩御飯の担当することを名乗り出た。
「リンタも大輝もありがとう」
遥はフォークを置き、二人を見つめながら言った。
「まあ、こうやって三人で一緒に住んでんだから、何かあれば、自分以外の二人を頼る
それでいいんじゃね?
俺の時もよろしく頼むわ」
大輝は少し照れくさそうに言った。
「まあ、そういうことだな
俺のときも頼むぞ」
凛太郎も同調して被せてきた。
親友の死というあまりにも大きな衝撃と悲しみに包まれていた遥だったが、二人によって気持ちを救われ、少しずつ前に進まなければ…
いつまでも泣いていたらいけない…
そんな気持ちになれたのだった。
家に二人で帰ってくると
「お帰りー」
と、凛太郎が出迎えた。
「リンタ、なんか良い匂いしてんだけど」
大輝が鼻をクンクンさせて言うと
「おう、今日は俺が晩飯作っといたから
特製ニンニクマシマシペペロンチーノだ」
凛太郎はそう答えて笑った。
「リンタ、ありがとう
うっ…」
遥は二人の優しさに触れ、また泣き出した。
「ありゃ、遥を泣き止ませようとしたのに、また泣いちゃったよ。」
凛太郎は頭を掻いた。
それでも、少し笑顔を見せるようになった遥は、もう部屋に閉じこもることなく、テーブルに腰掛け、凛太郎の作ったパスタを食べることにした。
「さあ、食べてくれ」
あまりキレイとは言えないが、盛り付けをしたパスタを皿に乗せて運んできた凛太郎は、遥の前に真っ先にそのお皿を置いた。
そして、三人揃うと
「いただきまーす」
と、手を合わせ、食べ始めた。
遥はフォークで上手にパスタを巻き、一口目を口に運んだ。
「…
あっ、美味しい」
朝から何も食べていなかった遥は、そのパスタの味を素直に美味しいと思い、凛太郎に向かって微笑みながら頷いた。
「そうだろ?
隠し味はだし醤油なんだよ」
凛太郎は満足そうに味の秘密を語った。
「いや、隠し味てか
思いっきりだし醤油の味がする。
全然隠せてねえって」
大輝も一口食べ、その感想を述べた。
「大輝、お前、営業妨害なんだよ
遥がせっかく美味しいって言ってくれたのによー」
「それは、遥の社交辞令ってもんだろ」
「なわけねーだろ。
今さら社交辞令なんてありえねえよ。
なあ、遥」
「うん。
ホントに美味しいよ」
遥はもう一口食べて頷いた。
「ほらな!
センスあんだよ、俺は」
「よし、明日は俺が作るわ
楽しみにしとけよ」
大輝は凛太郎のパスタに感化され、翌日の晩御飯の担当することを名乗り出た。
「リンタも大輝もありがとう」
遥はフォークを置き、二人を見つめながら言った。
「まあ、こうやって三人で一緒に住んでんだから、何かあれば、自分以外の二人を頼る
それでいいんじゃね?
俺の時もよろしく頼むわ」
大輝は少し照れくさそうに言った。
「まあ、そういうことだな
俺のときも頼むぞ」
凛太郎も同調して被せてきた。
親友の死というあまりにも大きな衝撃と悲しみに包まれていた遥だったが、二人によって気持ちを救われ、少しずつ前に進まなければ…
いつまでも泣いていたらいけない…
そんな気持ちになれたのだった。
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