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フロイライン

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sympathy

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顔を両手で覆い、肩を震わせて泣くリサに対し、遥はかける言葉を持ち合わせていなかった。

ただ、黙ってその背中を摩った。

遥自身も涙を流しながら…


長い時間泣いて、少し落ち着いたのか、リサはようやく顔を上げて、遥の方を見つめた。

「もう、遥ちゃんまで泣く事ないじゃない…」


「だって…

他人事じゃないんだもん…」

遥は涙を拭い、しゃくりあげながらリサに言った。


「本当にありがとう、遥ちゃん
あなたがいてくれて本当によかった…」


「当たり前だよ。
ワタシら、この世でたった一人の親友同士なんだからね。」


「うん。」


「愛媛に戻っても、絶対に連絡ちょうだいね。」


「うん。絶対に連絡する。」


「人生は長いんだし、また運気も変わってくるから。」


「そうだね…

前向きに生きるよ」


遥とリサはハグして別れを惜しんだ。



長時間のハグを終えると、遥はリサに

「いつ帰るの?愛媛に」

と、聞いた。


「今日、お店辞めてきたから、マンションの解約と引越しの準備が終わり次第、なるべく早くに…」


「そっか…

次の休みの日、ワタシ、手伝いに行くよ」


「ううん、大丈夫

二、三日で片付けちゃうつもりだから」


「そうなんだね…

帰る時は連絡してね」


「うん。

遥ちゃん、色々ありがとう。
話聞いてもらって思いっきり泣いたらスッキリしたわ。」


リサも最後は晴々とした表情となり、遥に微笑みかけた。

遥はリサとJRの改札まで一緒に行き、ホームに降りて行く親友の姿を見守り、それぞれのホームに別れても、離れたところから手を振り合った。


遥は自分の電車が先に来たのに乗らず、リサが乗り込むのを見届けてから、あらためて次の電車に乗った。

家に着いたのは深夜零時近くになっていたが、親友の気持ちを少しでも楽に出来たのならと…
遥はリサの前途を考えずにはいられなかった。



リサが自ら命を断ったという知らせが遥に届いたのは、それから二日してからの事だった。
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