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フロイライン

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「石川先生、もう帰れるの?」


「ええ、今日は延長の子もいないので」


「じゃあ、ちょっと軽く行かない?」


「あ、是非」


更衣室で彩に飲みに行こうと声をかけられた遥は、二つ返事でOKした。


駅前の居酒屋チェーンに足を運んだ二人は、誰に気兼ねする事なく、先週のコンパ後の二人だけの反省会のように盛り上がった。


「えっ、ウソ

そんな事あったんだ。」


「そうなんですよ。

何かこっち見てるなって思ったら、平嶋さんていう一番年下の右端に座ってた人が立ってて」


「ちょい軽めの人だね。
何か言われた?」


「やっぱり、先輩とワタシの塩対応の事を言われちゃって」


「あー、それ言われたかあ」


「でも、あのお局さんの事を気にして喋らなかったんでしょ?って」


「それも言われたかあ」


「ズバリ言われて、ちゃんと否定できなかったです、ワタシ。」


「まあ、しゃあないわ

本人さえいなければ、陰で何言うのも自由だよ」


「うーん、そんなもんかなあ」


「うん、そんなもん

で、遥ちゃん、誘われたりしなかった?」


「また六人で会わない?って言われたけど、先輩とワタシが疲れるから嫌だって拒否ったら、じゃあワタシだけでもって言われてLINE交換しようって」

「したの?」


「はい…」


「LINEくらい良いじゃん」


「でも、樋谷さんにバレたら大変な事になるんじゃないかって…」

「そんなの大丈夫よ。
もし、そこまで詮索してきたら、ワタシがハッキリ言ってやるわよ。」


「平嶋さんも同じ事言ってて、他人のLINE見てあーだこーだ言ったり、なんかしてきたら、それこそ犯罪行為だって」


「そうよ。

じゃあ、
遥ちゃん、一度会ってみるの?」


「うーん…
多分会わないと思います。」


「そっかー
平嶋さんて、あまりタイプじゃなかった?」


「いえ、そういうわけでは…

ただ、コンパとかで知り合って付き合うのって、何か違うかなって。」


「遥ちゃんはお付き合いした事ないんだから、そういう風に思っても仕方ないって思うよ。

何か、良い出会いがあればいいね」


「はい。難しいと思いますけど…」

遥は自分の体が男であるという現実が頭をよぎり、少し暗くなった。


「私だって、早く次の男を見つけたいって思ってるのよ。

お互いにがんばろ」

「はい、先輩」

遥は屈託のない笑みを浮かべた。
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