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Smile up
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遥は食べるのをやめて顔を上げると、前方で自分に視線を向ける人物がいるのに気付いた。
そして、遥は思わず
「あっ」
と、声を出してしまった。
すると、視線を向けていた人物も
「やっぱり!
石川さんでしたか
人違いかなって思ったんですけど…
昨日はどうも」
と、少しテンション上がり気味に言った。
話しかけてきたのは、昨日のコンパに男側メンバーとして参加していた平嶋健太だった。
「こちらこそ、ありがとうございました。」
「石川さん、どうしたんですか?こんなところで」
「ええ、近くに行く用事があって。
ここでご飯食べようと思って偶然入ったんです。
平嶋さんは?」
「あ、俺この辺に住んでんすよ。
溜まってた仕事をちょっとやろうかなって思って」
平嶋はパソコンを脇に挟み、コーヒーが乗ったトレイを持っていた。
「お休みの日でも大変ですね。」
「いや、俺、仕事が遅いもんですから」
平嶋はそう言って笑い、遥にお辞儀をしてその場から去ろうとした。
しかし、日曜日のランチタイムで、店内は満席となっており、平嶋はキョロキョロ周囲を見渡しながら、苦笑いを浮かべた。
「寝坊して、ちょっと来るのが遅かったか…
ミスったなあ」
「…
あの、平嶋さん。
良かったらここに座ります?」
遥は2人掛けの席に一人で座っており、向かい側の席は自分のバックを置いていた。
「えっ、いいんすか?」
「はい」
遥は立ち上がり、バックを手前に置き直し、平嶋に座るように促した。
「ホント助かります!
ありがとうございます!」
平嶋は遥に礼を言い、遠慮する事なく向かい側に座った。
遥自身は、親しくない男性に自分だけが食べているところを見せるのが恥ずかしい…というような心境になりながらも、困った時はお互い様だと割り切った。
逆に平嶋は、コンパのときに飛び抜けたルックスをしていた遥に好意を持っており、この運命的な再会を絶好の機会と捉えていたのだった。
遥は再びカルボナーラを食べ始めたが、向かいに平嶋がいるために、そのペースは落ち込んだ。
それでも平嶋の視線を気にしながら、なんとか食べ終えた遥だったが…
「石川さん、甘いものとかいけるタイプですか?」
「えっ、はい
好きな方ですけど」
「俺も甘党なんすよ。
ケーキ食べません?
俺も小腹空いてきたんで、良かったら買ってきますよ」
「いえ、お気遣いなく」
「ついでですから」
平嶋は笑って席を立ち、注文カウンターに行ってしまった。
なかなかグイグイ来る…
そう感じながら、遥は平嶋の背中を見つめていた。
そして、遥は思わず
「あっ」
と、声を出してしまった。
すると、視線を向けていた人物も
「やっぱり!
石川さんでしたか
人違いかなって思ったんですけど…
昨日はどうも」
と、少しテンション上がり気味に言った。
話しかけてきたのは、昨日のコンパに男側メンバーとして参加していた平嶋健太だった。
「こちらこそ、ありがとうございました。」
「石川さん、どうしたんですか?こんなところで」
「ええ、近くに行く用事があって。
ここでご飯食べようと思って偶然入ったんです。
平嶋さんは?」
「あ、俺この辺に住んでんすよ。
溜まってた仕事をちょっとやろうかなって思って」
平嶋はパソコンを脇に挟み、コーヒーが乗ったトレイを持っていた。
「お休みの日でも大変ですね。」
「いや、俺、仕事が遅いもんですから」
平嶋はそう言って笑い、遥にお辞儀をしてその場から去ろうとした。
しかし、日曜日のランチタイムで、店内は満席となっており、平嶋はキョロキョロ周囲を見渡しながら、苦笑いを浮かべた。
「寝坊して、ちょっと来るのが遅かったか…
ミスったなあ」
「…
あの、平嶋さん。
良かったらここに座ります?」
遥は2人掛けの席に一人で座っており、向かい側の席は自分のバックを置いていた。
「えっ、いいんすか?」
「はい」
遥は立ち上がり、バックを手前に置き直し、平嶋に座るように促した。
「ホント助かります!
ありがとうございます!」
平嶋は遥に礼を言い、遠慮する事なく向かい側に座った。
遥自身は、親しくない男性に自分だけが食べているところを見せるのが恥ずかしい…というような心境になりながらも、困った時はお互い様だと割り切った。
逆に平嶋は、コンパのときに飛び抜けたルックスをしていた遥に好意を持っており、この運命的な再会を絶好の機会と捉えていたのだった。
遥は再びカルボナーラを食べ始めたが、向かいに平嶋がいるために、そのペースは落ち込んだ。
それでも平嶋の視線を気にしながら、なんとか食べ終えた遥だったが…
「石川さん、甘いものとかいけるタイプですか?」
「えっ、はい
好きな方ですけど」
「俺も甘党なんすよ。
ケーキ食べません?
俺も小腹空いてきたんで、良かったら買ってきますよ」
「いえ、お気遣いなく」
「ついでですから」
平嶋は笑って席を立ち、注文カウンターに行ってしまった。
なかなかグイグイ来る…
そう感じながら、遥は平嶋の背中を見つめていた。
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