pretty preschool teacher

フロイライン

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憧景

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石川遥は地方から都内の大学に進学し、そこで幼稚園教諭になるべく、養成課程を修了し、この春から愛多幼稚園に採用された。

待機児童問題などが叫ばれるこのご時世であるが、逆にこの愛多幼稚園などの私立幼稚園は少子化による園児の減少に悩まされている。
しかし、園児が減少しても園の人手不足はそれ以上に深刻で、遥も入ってすぐに年中クラスの担任を任された。

遥は新人らしからぬ落ち着きがあり、またアイドル顔負けの美貌、それでいて少しだけハスキーな声でキャピキャピしておらず、忽ち園児や保護者からの絶大なる支持を受けた。

遥自身、人に言えないハンデを背負いながらも、努力を重ねてここまでやってきた。

四年制の大学を出て、ピアノなどの課題をクリアしてやっとの思いで幼稚園教諭という仕事に就いた遥だったが、安月給と労働環境の過酷さで、へこたれそうになったこともあった。

しかし、他の先輩や同僚と比べても、この仕事に対する熱意は高く、この何ヶ月間を突っ走ってきた。



そんなある日の事、園児を送り届けて帰ってきた遥は、職員室での会議に慌てて出席した。


「遅れて申し訳ありません」


「いいのよ。
石川先生も大変ね。」

主任教諭の樋谷が言うと、遥は恐縮しながら首を振った。

「まだ不慣れで、皆さんの足を引っ張ってしまい、本当に申し訳ないです。」


「あんまりムリして頑張りすぎるのも良くないわよ。

じゃあ、一つだけアドバイスしといてあげる

石川先生は子供が好き?」


「はい、それはもう

大好きなのでこの仕事を選んだくらいなので」


「行き詰まって早々に辞めちゃう人ってどんなタイプだと思う?

石川先生みたいに子供が大好きっていう人の方が長続きしないの。

理想と現実みたいなのがあるのかなあ。

だから、あんまりこの仕事に入れ込まない事ね。」


「はい、気をつけます。」


樋谷奈緒美は今年三十五になるハイミスのベテラン教諭である。
少し体型もぽっちゃり型で、決して綺麗とは言えない容姿をしていた。
しかし、結婚には強い憧れを持っているようで、婚活パーティー等に積極的に参加し、それでは飽き足らず、園の後輩達にコンパのセッティングをさせる猛者だった。

それでも、樋谷に言われた事は一理あるなと、遥は思い、あまり前のめりにならないよう、自分に言い聞かせた。
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