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評判
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「行ってらっしゃい」
園児達の母親が五人ほど集まり、バスに乗り込んでいく我が子を見送っていた。
そして、最後に遥が皆に一礼してバスに乗った。
走り去るバスを見守りながら、五人の中の一人、西澤茜が赤ちゃんを抱っこしながら呟くように言った。
「石川先生で本当によかったわ。」
と…
それを隣で聞いていた君原仁美は、深く頷いた。
「最初は若いし、なんとなく頼りないって思ってたけど、すごくしっかりしてるし、熱心だし。」
「雄星なんて、若いお姉さんが大好きだから、石川先生にまとわりついて離れないって言ってたわ。」
「それを言うなら、ウチの旦那よ。
石川先生を見てから、やたらと見送りとかお迎えに行きたがるのよ。
まあ、仕事だからほとんど行けないんだけどね。
美人だから気持ちはよくわかるけど。」
さくら組の担任の石川遥は、保護者からの評判が頗る良く、新人らしからぬ落ち着きを持ち合わせていた。
「石川先生をウチで採用してホント正解だったわね。」
「ああ、そうだね。
私も散々迷ったんだがね…思い切って合格させてよかったよ。」
愛多幼稚園理事長の四谷雅雄は、妻で園長の早紀の言葉に頷いて答えた。
そして
「まあ、ウチのような私立幼稚園はその辺の事は自由に決められるから、石川先生にとってもここを選んで良かったんじゃないかな。
公立幼稚園だったらそうはいかんから。」
と、続けて語った。
「でも、石川先生の秘密がバレたらそれこそ大騒ぎになるんじゃない?」
「あれだけの美貌とスキルを持ち合わせてるんだ。
バレやしないって。
それに、昔と違ってそういう事を問題視する自体、問題視される世の中になってんだよ。今は」
雅雄は自分に言い聞かせるように言った。
園児達の母親が五人ほど集まり、バスに乗り込んでいく我が子を見送っていた。
そして、最後に遥が皆に一礼してバスに乗った。
走り去るバスを見守りながら、五人の中の一人、西澤茜が赤ちゃんを抱っこしながら呟くように言った。
「石川先生で本当によかったわ。」
と…
それを隣で聞いていた君原仁美は、深く頷いた。
「最初は若いし、なんとなく頼りないって思ってたけど、すごくしっかりしてるし、熱心だし。」
「雄星なんて、若いお姉さんが大好きだから、石川先生にまとわりついて離れないって言ってたわ。」
「それを言うなら、ウチの旦那よ。
石川先生を見てから、やたらと見送りとかお迎えに行きたがるのよ。
まあ、仕事だからほとんど行けないんだけどね。
美人だから気持ちはよくわかるけど。」
さくら組の担任の石川遥は、保護者からの評判が頗る良く、新人らしからぬ落ち着きを持ち合わせていた。
「石川先生をウチで採用してホント正解だったわね。」
「ああ、そうだね。
私も散々迷ったんだがね…思い切って合格させてよかったよ。」
愛多幼稚園理事長の四谷雅雄は、妻で園長の早紀の言葉に頷いて答えた。
そして
「まあ、ウチのような私立幼稚園はその辺の事は自由に決められるから、石川先生にとってもここを選んで良かったんじゃないかな。
公立幼稚園だったらそうはいかんから。」
と、続けて語った。
「でも、石川先生の秘密がバレたらそれこそ大騒ぎになるんじゃない?」
「あれだけの美貌とスキルを持ち合わせてるんだ。
バレやしないって。
それに、昔と違ってそういう事を問題視する自体、問題視される世の中になってんだよ。今は」
雅雄は自分に言い聞かせるように言った。
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