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Lesson15
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自分からも話があると言った優斗に、香菜子はイヤな予感がした。
やはり、現代っ子に自分の下に付いて仕事を学べなんて言うべきじゃなかったのではないのか
自分としては良かれと思ってやった事は、完全に要らぬお節介だったのか…
いや、今、彼はわたしに認められたい、憧れてると言った。
だったら…
いやいや、最近の若者の事だ
理解不能な事を言ったり、今までとは正反対の考えを示したりする事もある?
そんな事柄が香菜子の頭の中をぐるぐると駆け巡った。
だが、人の気持ちに枷をつけることなど出来ない。
香菜子は、優斗の言葉を待った。
「あの、部長…」
「ん?
どうしたの」
「えっと、こんな話して引かれてしまうかもしれないんですけど…」
「いいよ。
言ってみて」
「はい。
あの、俺
部長の事が好きになりました。
俺と付き合ってもらえませんか。」
「…」
香菜子は優斗が何を言ってるのか言葉が線で入って来ず、点で入ってきた。
「どうでしょうか…」
「…
ごめん。
今、何て?」
優斗は一大決心をして告白したのに、また言わされるという仕打ちに、思わず香菜子の顔を目を瞬かせながら見つめたが、気を取り直して、もう一度告白をした。
「俺、部長の事が好きなんです。
仕事上のとかじゃなくて、一人の女性として。」
ここで、ようやく優斗が何を言っているのかわかった香菜子は狼狽した。
誰が見てもわかるくらいに…
「へっ?
付き合う?
って…
あの、新開クン
ワタシの年齢知ってるよね?」
「知ってます。
四十六でしょ?」
「そう…
新開クンて二十三よね?
つまり、あなたの倍の年齢が私…」
「はい。
それはわかってます。」
「じゃあ…
なんで…」
「なんでって
部長の事が好きだからです。
好きになる事に理由って要りますか?」
「いや、要らないけど…
でも、付き合うとかどうとかって話は、やっぱりお互いの年齢差とかも考えなきゃいけないわけだし…
新開クン的に、私ってアリなの?」
「アリです。
大アリです。」
「…」
香菜子は何も言葉が出なくなってしまった。
たしかに、最近はずっと優斗の事を意識し、可愛いと思っていたのは事実である。
だからといって、自分でどうこうしようなどとは考えてはおらず、言うなれば、アイドル歌手を応援するファンのような心境で接していたわけで…
近くで眺めているだけで心が満たされていた。
当然、実際に付き合いたいとか、何とかならないかなんて1ミリも思っていなかった。
そして、世紀の告白を受けた香菜子は、この時点で、初めて優斗を意識した。
いや、意識していなかったわけではない…だが、それはあくまでも自覚がない中でしていたわけで…
今はハッキリと優斗を意識している。
もちろん自覚を持って…
香菜子は急に恥ずかしくなり、顔を真っ赤にして俯いてしまった。
やはり、現代っ子に自分の下に付いて仕事を学べなんて言うべきじゃなかったのではないのか
自分としては良かれと思ってやった事は、完全に要らぬお節介だったのか…
いや、今、彼はわたしに認められたい、憧れてると言った。
だったら…
いやいや、最近の若者の事だ
理解不能な事を言ったり、今までとは正反対の考えを示したりする事もある?
そんな事柄が香菜子の頭の中をぐるぐると駆け巡った。
だが、人の気持ちに枷をつけることなど出来ない。
香菜子は、優斗の言葉を待った。
「あの、部長…」
「ん?
どうしたの」
「えっと、こんな話して引かれてしまうかもしれないんですけど…」
「いいよ。
言ってみて」
「はい。
あの、俺
部長の事が好きになりました。
俺と付き合ってもらえませんか。」
「…」
香菜子は優斗が何を言ってるのか言葉が線で入って来ず、点で入ってきた。
「どうでしょうか…」
「…
ごめん。
今、何て?」
優斗は一大決心をして告白したのに、また言わされるという仕打ちに、思わず香菜子の顔を目を瞬かせながら見つめたが、気を取り直して、もう一度告白をした。
「俺、部長の事が好きなんです。
仕事上のとかじゃなくて、一人の女性として。」
ここで、ようやく優斗が何を言っているのかわかった香菜子は狼狽した。
誰が見てもわかるくらいに…
「へっ?
付き合う?
って…
あの、新開クン
ワタシの年齢知ってるよね?」
「知ってます。
四十六でしょ?」
「そう…
新開クンて二十三よね?
つまり、あなたの倍の年齢が私…」
「はい。
それはわかってます。」
「じゃあ…
なんで…」
「なんでって
部長の事が好きだからです。
好きになる事に理由って要りますか?」
「いや、要らないけど…
でも、付き合うとかどうとかって話は、やっぱりお互いの年齢差とかも考えなきゃいけないわけだし…
新開クン的に、私ってアリなの?」
「アリです。
大アリです。」
「…」
香菜子は何も言葉が出なくなってしまった。
たしかに、最近はずっと優斗の事を意識し、可愛いと思っていたのは事実である。
だからといって、自分でどうこうしようなどとは考えてはおらず、言うなれば、アイドル歌手を応援するファンのような心境で接していたわけで…
近くで眺めているだけで心が満たされていた。
当然、実際に付き合いたいとか、何とかならないかなんて1ミリも思っていなかった。
そして、世紀の告白を受けた香菜子は、この時点で、初めて優斗を意識した。
いや、意識していなかったわけではない…だが、それはあくまでも自覚がない中でしていたわけで…
今はハッキリと優斗を意識している。
もちろん自覚を持って…
香菜子は急に恥ずかしくなり、顔を真っ赤にして俯いてしまった。
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