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男
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「ワタシとサオリ、ミサトと美月
何でか知らないけど、ニューハーフ同士で付き合ってるけど…
こんなパターンてあんまり無いのかなあ。」
ミカは、サオリに腕枕をしてもらいながら、甘えた口調で言った。
「あり得る話だと思うけどね。
でも、身近で二組はないかもね。」
「そっか。
フツーは漠然と男が好きなもんだしね。
ワタシもそうだった。」
「えーっ!
ミカちゃんの恋バナ聞きたい!
初恋はどんな人だったの?」
「そんな話はないわよ。
ワタシ、自分が何か他の男子とは違うと思いつつも、結局はちゃんと気付けなかったし、野球に没頭する事で、雑念を払いのけようとしたの。」
「そっかあ
ワタシも似たようなものだったかな。
お父さん、めっちゃ怖かったし、自分の本当の気持ちを出す事が出来なかったよ。」
「そうだね。
ワタシは一緒に野球をやってた…
しむけんていうチームメイトが好きと言えば好きだったような気がする。
勿論、こっちは何も言わないし、向こうも気付いてないけど。」
「志村けん?
どちらにしても、切ないね」
「自分が想っても、相手が好きになってくれる事はないって達観してたし、こっちから好きに思う分はいいかなって。
そう思って暮らしてた。」
「そうなんだ」
「高校に上がるときさあ、そのケンジと一緒の高校へ行きたいと思ってたんだけど…」
「しむけんじゃなくて、ケンジって呼んでたのね。」
「本人がしむけんて呼ばれるのを嫌がってたからね。
ワタシだけは、ケンジって呼ぶようにしてたの。
あ、それでね、ワタシがどうしても野球部で丸坊主になるのがイヤで、結局、考えに考えた末、坊主にならなくていい方を選んだの。
それからは別々の道に進んで、全然会わなくなった。
でも、前に里帰りしたときに、会って、ワタシとお母さんの橋渡し役をしてくれたのよ。
ホントに優しいヤツだよ、アイツは。」
「えーっ、なんかいいね。
サオリはそういう話はないの?」
「ない事もないけど、あんまり面白い話じゃないし…
ワタシにとっても、記憶としてはいいとは言えないカンジだし。」
「そっか。
いい初恋なんて、ウチらにはムリか。
だから、サオリと好き同士でいられる事を感謝してる。
ありがとうね、サオリ。」
「ワタシもだよ。
大好き、ミカちゃん。」
サオリは腕枕していた自身の左腕を上げて、ミカを引き寄せ、そして、キスをした。
何でか知らないけど、ニューハーフ同士で付き合ってるけど…
こんなパターンてあんまり無いのかなあ。」
ミカは、サオリに腕枕をしてもらいながら、甘えた口調で言った。
「あり得る話だと思うけどね。
でも、身近で二組はないかもね。」
「そっか。
フツーは漠然と男が好きなもんだしね。
ワタシもそうだった。」
「えーっ!
ミカちゃんの恋バナ聞きたい!
初恋はどんな人だったの?」
「そんな話はないわよ。
ワタシ、自分が何か他の男子とは違うと思いつつも、結局はちゃんと気付けなかったし、野球に没頭する事で、雑念を払いのけようとしたの。」
「そっかあ
ワタシも似たようなものだったかな。
お父さん、めっちゃ怖かったし、自分の本当の気持ちを出す事が出来なかったよ。」
「そうだね。
ワタシは一緒に野球をやってた…
しむけんていうチームメイトが好きと言えば好きだったような気がする。
勿論、こっちは何も言わないし、向こうも気付いてないけど。」
「志村けん?
どちらにしても、切ないね」
「自分が想っても、相手が好きになってくれる事はないって達観してたし、こっちから好きに思う分はいいかなって。
そう思って暮らしてた。」
「そうなんだ」
「高校に上がるときさあ、そのケンジと一緒の高校へ行きたいと思ってたんだけど…」
「しむけんじゃなくて、ケンジって呼んでたのね。」
「本人がしむけんて呼ばれるのを嫌がってたからね。
ワタシだけは、ケンジって呼ぶようにしてたの。
あ、それでね、ワタシがどうしても野球部で丸坊主になるのがイヤで、結局、考えに考えた末、坊主にならなくていい方を選んだの。
それからは別々の道に進んで、全然会わなくなった。
でも、前に里帰りしたときに、会って、ワタシとお母さんの橋渡し役をしてくれたのよ。
ホントに優しいヤツだよ、アイツは。」
「えーっ、なんかいいね。
サオリはそういう話はないの?」
「ない事もないけど、あんまり面白い話じゃないし…
ワタシにとっても、記憶としてはいいとは言えないカンジだし。」
「そっか。
いい初恋なんて、ウチらにはムリか。
だから、サオリと好き同士でいられる事を感謝してる。
ありがとうね、サオリ。」
「ワタシもだよ。
大好き、ミカちゃん。」
サオリは腕枕していた自身の左腕を上げて、ミカを引き寄せ、そして、キスをした。
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