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フロイライン

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穏やかな日々

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ミカが練習に復帰してから半年が経過した。
それからは新たに加入する選手もおらず、五人はひたすら強くなる事に意識を集中する事とし、技術の精度を上げていった。


一日の練習を終えると、風呂に入り、食事となる。

そして、8時頃には自分達の部屋に戻り、10時消灯となる。
この寝るまでの二時間が、彼女達にとって唯一の安らぎの時間、楽しみな時間となる。

その日も、ミカは、同部屋のサオリと、その時間を利用して談笑していた。


「ホント、やっとだわ。
まともに動けるようになったって、実感出来てきたのって」


「うんうん。
ミカちゃんて、プロレスなんて全くやってなかったのに、スゴイと思う。

多分、ウチらの中で一番強いよね。」


「そんな事ないよ。

やっぱ強いのはサオリだよ。
サンボ技ってプロレスと互換性があるっていうか、相性いいと思うもん。」


「そんなの、子供の時からやってきたから、出来て当然だし…

ミカちゃんの方が何倍も強いと思うわ。」


「そうかなあ。

でもなあ…」


「どうしたの?」


「やっぱ、性転換して筋肉とか体力が落ちたって実感がすごくあるのよ。
それは仕方がないと覚悟してた。

でも、マジ動きにくくてね。」


「あー、なるほど。

ミカちゃん、ここ何ヶ月かで胸が異常に大きくなってない?」


「えっ、わかる?
そうなのよ。なんか今頃になって育ってきちゃってさあ、動きにくいったらありゃしないわ。
嬉しいのは嬉しいんだけどね。」


「ワタシなんてもうこれ以上大きくなんないし、羨ましいかぎりだわ。」


「ねえ、サオリ…」


「ん?」


「感じる?」


「感じるって…

胸?」


「そう…」


「うん…そうだね…

たしかに乳首とかは敏感になってるって気はするけど。
タマ取ったのと女ホルのせいで性欲が無くなってるから、プラマイでいったら、大きくマイナスだけどね。」


「なるほど…」


「ミカちゃん…

昨日の夜…してなかった?」


「あ、えっ…

ごめんなさい!聞こえちゃった?」


サオリの指摘に、ミカは顔を真っ赤にした。


「ううん。
全然いいと思うの。ワタシもそういう気持ちになるんだったら、多分するだろうし。

でも、そういう気になるんだね、ミカちゃんは。」


「ワタシもヤリたいって気持ちは全然ないのよ、ホントに。

でも、ワタシの場合、ココを性転換手術で女性器に変えてるじゃん。

クリとかも人工的にだけど造られてて…

それがめちゃくちゃ感じちゃうの。」


「えっ、男だったときより?」


「うん…」


ミカは、恥ずかしそうに答えた。


「性転換手術恐るべし…」


サオリは、少し羨ましく思ったが、術後のミカの地獄を見てきただけに、自分は、何があっても手術はしないと、心に決めていた。
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