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「どうしたの?ユウちゃん」
「先生、この子にも女性ホルモンの投与をお願いしたくてね。」
ユウは、恵太を連れて山下美容外科を訪れていた。
ここは誰でも簡単に女性ホルモンの注射を安価で打ってくれると評判で、ニューハーフ達から絶大なる支持が寄せられている病院だった。
「よろしくお願いします。」
恵太は緊張した面持ちで、ぺこりと頭を下げた。
「ちょっと若くないか?
キミ、いくつなの?」
「あ、十七です。」
「えっ、十八にもなってないの?
そりゃマズイよ」
山下は禿頭を掻きながら、困った表情になった。
「そんなのは百も承知よ。
だからこそ山下先生を頼って来たんじゃないのよ
じゃないとこんな汚いとこに来ないわよ」
「そんな無茶苦茶な‥
ユウちゃん、あんた可愛い顔してキッツイ事言うなあ
でも、キミ
既にエストロゲンを体に入れてない?」
女性化した恵太の体をまじまじと見ながら、山下は不思議そうに質問した。
「はい。
これまでは経口薬を使ってました。
でも、それだと体に負担がかかるってアドバイスを受けたので‥
注射に変更したくて‥」
「いくらウチが簡単に注射するって言っても、十七ってなると話は別だよ。
まあ、既に経口薬を使ってるんだったら、まあ仕方ないか。
注射を打ってあげるよ。」
「ありがとうございますっ!」
「でも、自己責任で頼むよ。
わかったね?」
「さすが、山下先生ね。」
「ユウちゃん
これはデカい貸しだよ。
わかってる?」
「わかってるって
ウチのお店に来てよ。
特別にサービスしちゃうから」
ユウが艶っぽい顔で言うと
「おっ、それはホントか!
絶対行くから頼むよ」
山下は興奮気味に言って頷いた。
「さて、ではそこにうつ伏せになって寝てくれるかな。」
恵太は頷き、ベッドに寝た。
「ウチはプロギノンデポーの一択だから。
ユウちゃんも毎月一度打ってるよ。」
「お願いします。」
「どうする?
最初だし、1アンプルにしとく?」
「えっ、だいたいは2アンプルじゃないんですか?」
「よく調べてるね。
でも、そんな事ないよ。
1アンプルでも十分効果はあるから、心配には及ばないって。」
「ユウさん
2アンプルにしてもいいですか?」
恵太は、側にいるユウに確認を取った。
「好きにしなさい。
先生が言ってたように、全て自己責任なんだから。」
ユウはそう言って、恵太の判断に任せたが、自分も最初はそうだった事を思い出していた
初めて女性ホルモンの注射を打ったとき、少しでも早く効果が出て欲しいと、ユウも2アンプルの投与をお願いしたのだった。
みんなが通る道
みんなが思う事
時代が変わっても、そこの部分だけは変わらないんだな‥と、ユウは恵太を見つめながら、しみじみ思った。
「先生、この子にも女性ホルモンの投与をお願いしたくてね。」
ユウは、恵太を連れて山下美容外科を訪れていた。
ここは誰でも簡単に女性ホルモンの注射を安価で打ってくれると評判で、ニューハーフ達から絶大なる支持が寄せられている病院だった。
「よろしくお願いします。」
恵太は緊張した面持ちで、ぺこりと頭を下げた。
「ちょっと若くないか?
キミ、いくつなの?」
「あ、十七です。」
「えっ、十八にもなってないの?
そりゃマズイよ」
山下は禿頭を掻きながら、困った表情になった。
「そんなのは百も承知よ。
だからこそ山下先生を頼って来たんじゃないのよ
じゃないとこんな汚いとこに来ないわよ」
「そんな無茶苦茶な‥
ユウちゃん、あんた可愛い顔してキッツイ事言うなあ
でも、キミ
既にエストロゲンを体に入れてない?」
女性化した恵太の体をまじまじと見ながら、山下は不思議そうに質問した。
「はい。
これまでは経口薬を使ってました。
でも、それだと体に負担がかかるってアドバイスを受けたので‥
注射に変更したくて‥」
「いくらウチが簡単に注射するって言っても、十七ってなると話は別だよ。
まあ、既に経口薬を使ってるんだったら、まあ仕方ないか。
注射を打ってあげるよ。」
「ありがとうございますっ!」
「でも、自己責任で頼むよ。
わかったね?」
「さすが、山下先生ね。」
「ユウちゃん
これはデカい貸しだよ。
わかってる?」
「わかってるって
ウチのお店に来てよ。
特別にサービスしちゃうから」
ユウが艶っぽい顔で言うと
「おっ、それはホントか!
絶対行くから頼むよ」
山下は興奮気味に言って頷いた。
「さて、ではそこにうつ伏せになって寝てくれるかな。」
恵太は頷き、ベッドに寝た。
「ウチはプロギノンデポーの一択だから。
ユウちゃんも毎月一度打ってるよ。」
「お願いします。」
「どうする?
最初だし、1アンプルにしとく?」
「えっ、だいたいは2アンプルじゃないんですか?」
「よく調べてるね。
でも、そんな事ないよ。
1アンプルでも十分効果はあるから、心配には及ばないって。」
「ユウさん
2アンプルにしてもいいですか?」
恵太は、側にいるユウに確認を取った。
「好きにしなさい。
先生が言ってたように、全て自己責任なんだから。」
ユウはそう言って、恵太の判断に任せたが、自分も最初はそうだった事を思い出していた
初めて女性ホルモンの注射を打ったとき、少しでも早く効果が出て欲しいと、ユウも2アンプルの投与をお願いしたのだった。
みんなが通る道
みんなが思う事
時代が変わっても、そこの部分だけは変わらないんだな‥と、ユウは恵太を見つめながら、しみじみ思った。
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