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灯
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「お姉ちゃん、大丈夫?」
「智、わざわざごめんね」
美智香は病院のベッドで大きなお腹に手を置き、不安げな表情で言った。
「さっき陣痛促進剤を使いました。」
横から、真弥が智に伝えた。
「そう…
予定日より少し遅れてるからね。」
智もまた心配そうな面持ちで美智香を見つめた。
「初産だけど、年齢はいっちゃってるし、ドンと構えとくわ」
二人の様子を見ていた美智香は、敢えて楽観的な言葉を口にした。
その後、陣痛の始まった美智香が苦しみ出すと、看護士が来て、別室に移動させた。
部屋には真弥しか入れないというので、智は同じく病院を訪れていた真弥の母、真奈美と共に外で待つ事になった。
「はじめまして、美智香の弟の智と申します。」
「へえ、あなたがトモちゃんなのね
息子から話はきいてたけど、これは驚いたわ。
こんなに美人だなんて。」
「いえ、そんな事は…」
智は顔を真っ赤にして俯いた。
「多分、時間がかかりそうだし…
ひょっとしたら私たちは帰らなきゃなんないかもしれないわね。」
「そんなに遅くなりそうですか…」
「自然分娩みたいだし、私の予想じゃ、下手したら夜中になるかもね。」
「へえ、そうなんですね
私、男なのでそういうのが全然わからないので。」
「トモちゃん、病院にいても仕方ないし、ちょっとお茶しない?」
「はい。行きましょう」
二人は病院を出て行った。
その頃、美智香は、陣痛が始まり何やら機械を取り付けられていた。
定期的にモニターの数字が上がると、激しい陣痛が美智香を襲い、その度に真弥が腰をさするというパターンが続いていた。
「痛あいっ!」
いつも冷静沈着な美智香が、その痛みに耐えられず、激しく取り乱した、
真弥はただ、腰をさするという行為しか出来ず、後は心配そうに見つめるだけだった。
「へえ、トモちゃんの人生って波瀾万丈ね。」
「自分から、おかしな方向に向かっていった感がありますけど。」
「まあ、これだけ美人だったら女として生きたくもなるわね
みっちゃんにも言ったけど、戸籍上は私は真弥の母親で、みっちゃんは義理の娘になるし、トモちゃんはその弟なんだけど、私としては友達のようにお付き合いしたいのよね。
だから、みっちゃんにも名前で呼んでもらってるの。
トモちゃんもそうしてくれると嬉しい。」
「はい。
じゃあ、ワタシも真奈美さんって呼ばせてもらいます。」
智は笑って頭を下げた。
「よろしくね、トモちゃん」
「こちらこそ、よろしくお願いします
真奈美さん
それにしてもお姉ちゃん大丈夫かなあ」
「うん。きっと大丈夫よ。
でも、さっき言ったように時間はかかると思うわ。夜になっても生まれてこないってなったら、私らは帰らされると思うよ。
私はそんなに家が遠くないから、一旦自宅に帰ることになると思うけど、トモちゃんはどうするる?
よかったらウチに来ない?」
「ありがとうございます。
でも、真弥クンから家を使って下さいってカギを渡されてるので、お言葉に甘えさせていただこうかなって。」
智はそう言って、コーヒーを一口飲んだ。
「智、わざわざごめんね」
美智香は病院のベッドで大きなお腹に手を置き、不安げな表情で言った。
「さっき陣痛促進剤を使いました。」
横から、真弥が智に伝えた。
「そう…
予定日より少し遅れてるからね。」
智もまた心配そうな面持ちで美智香を見つめた。
「初産だけど、年齢はいっちゃってるし、ドンと構えとくわ」
二人の様子を見ていた美智香は、敢えて楽観的な言葉を口にした。
その後、陣痛の始まった美智香が苦しみ出すと、看護士が来て、別室に移動させた。
部屋には真弥しか入れないというので、智は同じく病院を訪れていた真弥の母、真奈美と共に外で待つ事になった。
「はじめまして、美智香の弟の智と申します。」
「へえ、あなたがトモちゃんなのね
息子から話はきいてたけど、これは驚いたわ。
こんなに美人だなんて。」
「いえ、そんな事は…」
智は顔を真っ赤にして俯いた。
「多分、時間がかかりそうだし…
ひょっとしたら私たちは帰らなきゃなんないかもしれないわね。」
「そんなに遅くなりそうですか…」
「自然分娩みたいだし、私の予想じゃ、下手したら夜中になるかもね。」
「へえ、そうなんですね
私、男なのでそういうのが全然わからないので。」
「トモちゃん、病院にいても仕方ないし、ちょっとお茶しない?」
「はい。行きましょう」
二人は病院を出て行った。
その頃、美智香は、陣痛が始まり何やら機械を取り付けられていた。
定期的にモニターの数字が上がると、激しい陣痛が美智香を襲い、その度に真弥が腰をさするというパターンが続いていた。
「痛あいっ!」
いつも冷静沈着な美智香が、その痛みに耐えられず、激しく取り乱した、
真弥はただ、腰をさするという行為しか出来ず、後は心配そうに見つめるだけだった。
「へえ、トモちゃんの人生って波瀾万丈ね。」
「自分から、おかしな方向に向かっていった感がありますけど。」
「まあ、これだけ美人だったら女として生きたくもなるわね
みっちゃんにも言ったけど、戸籍上は私は真弥の母親で、みっちゃんは義理の娘になるし、トモちゃんはその弟なんだけど、私としては友達のようにお付き合いしたいのよね。
だから、みっちゃんにも名前で呼んでもらってるの。
トモちゃんもそうしてくれると嬉しい。」
「はい。
じゃあ、ワタシも真奈美さんって呼ばせてもらいます。」
智は笑って頭を下げた。
「よろしくね、トモちゃん」
「こちらこそ、よろしくお願いします
真奈美さん
それにしてもお姉ちゃん大丈夫かなあ」
「うん。きっと大丈夫よ。
でも、さっき言ったように時間はかかると思うわ。夜になっても生まれてこないってなったら、私らは帰らされると思うよ。
私はそんなに家が遠くないから、一旦自宅に帰ることになると思うけど、トモちゃんはどうするる?
よかったらウチに来ない?」
「ありがとうございます。
でも、真弥クンから家を使って下さいってカギを渡されてるので、お言葉に甘えさせていただこうかなって。」
智はそう言って、コーヒーを一口飲んだ。
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