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夫婦のカタチ

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「そっか

美智香さんも大変だなあ」

翔は美沙の手料理を食べながら、美智香の話を聞き、心配そうに言った。

「そうね。
いくら出産年齢が高くなってるからって言って、美智香は今四十二でしょ。
赤ちゃんが産まれるときには四十三になってるのよ。
初産という事を考えたら…ねえ」   


「でも、子供欲しかったって言ってたし、それはそれでよかったんじゃないかな。

勿論リスクもあるし、手放しでは喜べないけど。」


「うん…」


「ウチも子供作る?」


「えっ…」


「冗談だよ。

美沙には大輝くんていう子供がいるんだし、これ以上彼に変な思いをさせたくないからね…」


「ごめんね」


「いや、全然

そういうこともひっくるめて美沙と一緒になろうって思ったんだから。」


「翔クン…」


「美沙、俺はこの関係が最高に楽しいし、幸せに感じてるんだよ。

甘えたい時は甘えれるし、リードしたい時はグイグイいける…

姉さん女房サイコーだわ」


「もう、翔クン…

嬉しい事言わないで…泣いちゃうよ、私」


「なんでよ?
本当の事なんだもん」


「私も幸せすぎて怖いくらい。

こんなにステキな旦那さんと巡り逢えるなんて…

大好きっ!」


食事中だから自制したが、本当なら抱きついてキスしたい衝動に駆られる美沙だった。


「美沙、もうすぐ正式に入籍出来るね」


「うん…

でも、ホントにいいの?

こんなオバサンと結婚して。」


「おいおい、怒るよ、もう。

俺が美沙に伝えてきた言葉や気持ちに嘘偽りはないよ。

心から愛してる。

運命の人なんだよ、美沙は」


「ありがとう、翔クン…

私にとってもあなたは運命の人…」


美沙は我慢できず、身を乗り出して翔にキスをした。

翔は美沙の唇を受け入れ、長い時間、激しく舌を絡めていたが、ようやくキスを終えると、美沙の耳元で

「エンジンかかっちゃったわ

明日寝不足にしちゃうけどいい?」

と、小声で言った。


「いっぱい愛し合おっ!」

美沙は頬を紅潮させて、嬉しそうに答えた。
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