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盲点

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朝を迎えようとしていた。

真弥は、起きても何も出来ないように、達也によって手足を括られ、目隠しと、口には猿轡をされて寝転がされていた。

すでに意識を取り戻していたが、ただ身を捩らせるだけだった。


そんな真弥の姿を達也は無表情で眺めていた。


何故こんな事をしてしまったのか


銀行から金が借りられず、桐山のような反社組織に属する人間と知り合ってしまった為にこんな状況に陥ってしまった。
しかし、もはやそんな事を言っていても仕方ない。

美智香から金を引っ張れても会社を立て直すことが出来ないのは達也本人もわかっている
ならば、せめて美智香にも同じような苦しみを味合わせてやりたい

その一心で、桐山が立案したプランに乗っかったが、達也自身、この期に及んで迷いがあった。

美智香の一番大切なもの
目の前に横たわるこの男を傷つける?
それで自分の溜飲が下がるのか?

そんな犯罪行為を行っても、すぐに捕まるに違いない。


だが、借りたばかりの新事務所を見渡すと、様々な思いが胸に去来した。


元いたスタッフを解雇し、もう一度浮上すべく、一人で東京にやってきて、この事務所を借りた。
しかし、レギンドーで起こしたトラブルの事が尾を引き、どこも取引をしてくれない。

広々とした事務所には、新たなスタッフを雇い入れる事が出来ず、こうして監禁部屋として使用する以外に使い途はない。

わかっていた


最初からわかっていたはず


美智香が去り、レギンドーで大量の不良品を発生させた時点で、自分が詰んだという事を。


そこから目を背けて延命を行ってきたが、もうどうにもならない。


達也は体の中から湧き上がってくる不満、怒り、焦り、悲しみ…



その全ての感情に包まれ、覚悟を決めた。

美智香とこの若い旦那をとことん不幸に追いやってやると






隣の部屋では、一晩中ずっと
桐山と智がセックスを行っていた。



「トモちゃんももうすぐ四十なんだよね?
相変わらず美しいし、とても綺麗だよ

やっぱりサイコーだわ」


桐山は快感に身を捩らせ、大きな喘ぎ声を上げる智に挿入しながら言った。


智はもう数え切れないくらいの絶頂を味わい、痴態を桐山に晒していた。


「あーっ、気持ちいいっ

もっとしてしてっ!」

桐山が果てた後も、精液まみれになったペニスを口に頬張り、美味しそうに舐め回した。

そして、クスリが切れかかると、自ら机に置いてあった注射を手にし、自ら腕に針を刺した。


桐山はその様子を撮影し、満足そうに微笑んだ。
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