カジュアルセックスチェンジ

フロイライン

文字の大きさ
上 下
449 / 722

しおりを挟む
美智香はソワソワしていた。

真弥からメールが来たからだ。
その内容は、同僚に誘われたので飲みに行くというものだった。

そんな事は付き合っている時から一度もなかった。

しかし、今日初めて、そんなメールを送ってきた。
電話でなくメールで…


ハッキリとした違和感…


美智香はその違和感に耐えきれず、真弥にメールを送り、続けて電話をかけた。


だが、どちらにも反応がなかった。


三十分…

一時間…


一時間半と、時間は淡々と過ぎていったが、美智香は気が狂わんばかりの焦燥と不安を抱え、家の中を携帯を握りしめてうろうろしていた。


その時である。


ようやく、待望の、真弥からの着信があった。


美智香は画面に表示された瞬間にスワイプして、携帯を耳に当てた。


「真弥君!?」


開口一番、最愛の夫の名前を呼ぶ美智香だったが、真弥は無言で、反応せず、代わりに別人の声が電話の向こうからしてきた。


「こんばんは

美智香さんですか?

先日お目にかかりました桐山です。」


「!?」


「すいません。

ご主人と偶然お会いして、佐藤社長と三人で飲んでたんですが、ご主人が酔い潰れてしまいましてね。
申し訳ないですが、携帯を勝手に使わせてもらい、奥様にお電話させてもらった次第です。」


「そんな事、あるわけないじゃないですか!
主人はどこですか?

その携帯をどうやってあなたが手にしたんですか!」


「今お話しした事は全て事実です。
証拠をお見せしましょう。電話を切って少しお待ち下さい。」


桐山はそう言って電話を切った。


すると、すぐに美智香の携帯に画像が送られてきた。

「!!」

それは、真弥がソファのようなものに寝かされ、目を閉じている写真だった。


美智香がその写真を食い入るように見つめていると、また着信があった。


「信じていただけましたか?

奥様」


「どういうつもりですか
主人に一体何をしたんですか!」


「今申し上げた通りですよ。

これから言う場所にご主人を迎えに来てあげて下さい。

まあ、あなたもバカじゃないと思いますので、敢えて細かくは申し上げませんが、くれぐれもお一人で来て下さい。
もし、そうでなければ…
まあ、いいでしょう。

それでも不安なら、弟の智さんと来てもいいですよ。
こちらが譲歩できるのはそこまでです。

いいですね?」


桐山は場所を指定すると電話を切った。


美智香は泣きそうになりながら、携帯を額に押し付け、しばらく固まっていたが、意を決したように顔を上げた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

N -Revolution

フロイライン
ライト文芸
プロレスラーを目指す桐生珀は、何度も入門試験をクリアできず、ひょんな事からニューハーフプロレスの団体への参加を持ちかけられるが…

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

TOUCH

廣瀬純一
大衆娯楽
体に触れると下半身を交換できる能力がある女性の話

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...