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圧倒的差違

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「あっ、由香里さん
腰が一番こってますよ」

敦は由香里の腰をマッサージしながら言ったが、うつ伏せに寝た由香里は何も答えなかった。

「痛かったら言ってくださいね」

敦は再度声をかけたが、由香里は依然として無反応だった。

そして、暫くすると肩を震わせるようになった。


「由香里さん…」


由香里は泣いていた。


由香里は一頻り泣くと、ようやく口を開いた。


「ごめんなさい、急に泣いてしまって…」


「いえ…大丈夫ですか」


「はい…
久しぶりに敦さんの顔を見て、こうして触れられていたら、嬉しくて涙が出てきちゃったんです。」


「そんな…大げさですよ。
でも、そう言ってもらえると、すごく嬉しいです。」


「敦さんて本当に優しいんですね。

前の夫と比べるなんて、失礼極まりないお話ですけど、あまりにも違いすぎて…
今回、離婚の話し合いの席で、久しぶりにあの男と対面しましたが、敦さんには悪いと思いつつ、一々二人を比べてしまったんです。

でも、比べるべくもなく、敦さんが何から何まで上でした。」


「そんな事ないですよ。
僕は甲斐性もなくダメな人間です。ご主人はお仕事でも成功されてたんでしょ?
僕には到底無理です。」


「仕事が出来る出来ないなんて、家庭生活において本当に重要な事なんでしょうか。
勿論、仕事が出来れば、お給料も増えて生活も楽になりますし、それはそれで大切なものだとは理解しますが、私にとってはそんなものは大して必要には感じません。

そんな事より、互いの心が通じ合う…価値観を共有できる…

これに勝るものはないと思います。」


「由香里さん…」


敦がマッサージする手を止めると、由香里は起き上がり、敦に抱きついた。


「敦さん…
私、敦さんに再び抱きしめてもらう事を夢見て、離婚の話し合いも頑張る事が出来ました。

今、本当に心の奥底から幸せを感じています。」


「ありがとうございます。
僕は何の取り柄もない男ですが、あなたを一生大切にします。

僕についてきて下さい。」


「敦さん…

好き」


由香里はたまらずキスをし、それに敦も応えた。
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