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就活終活
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「ずむと女性ホルモンやってるとさあ、病むじゃん。
最近は堕ちる頻度も増えてて…」
「大丈夫?
そんなに…」
これはニューハーフあるあるなので、多かれ少なかれ皆が経験する事で、鬱の症状が出やすくなると言われている。
智も涙脆くなったり、落ち込んだりすることが男性として生きていた時よりも圧倒的に増えはしたが、これにも個人差というものがあり、ユウほど酷くはなかった。
実際に自ら命を絶ってしまう者も少なくはなく、女性ホルモン剤は自らが望む女性らしい肉体を手に入れられると同時に、このような深刻な副作用をもたらしていた。
ニューハーフになるのも命がけで、これらの理由から女性ホルモンの投与を全くしない者たちも存在する。
智はユウからの求愛に迷いがあった。
住むところなど有難すぎる申し出であったが、果たしてお互いにとってこのような形での同居は良いことなのだろうか?と。
だが、ユウの心はかなり壊れてしまっており、放置は出来ないと判断した。
残りの人生、何年生きられるかはわからないが、このように自分を必要としてくれる人がいる。
それもニューハーフという同じ境遇で、この世で自分のことを最も理解できる存在の…
「ユウちゃん、ワタシもあなたの事が大好きだよ。
こんなワタシをずっと待ってくれていたなんて、本当に申し訳ない思いでいっぱいなんだけど」
「いいの。ワタシの勝手で思ってた事なんだもん。
トモちゃんが幸せならワタシはそれでよかったの。
一度は諦めた事なんだし…
でも、トモちゃんが旦那さんと別れたって聞いて、急に押し殺していた想いが噴き出してきて…」
「ありがとう…
こんなオバサンニューハーフだけど、これからの人生を一緒にすごしてくれる?」
「トモちゃん…」
ユウは子供のように声を上げて泣き出し、裸のまま智に抱きついた。
智の豊満な乳房に顔を埋め、泣き続けたのだった
延々と泣いていたが、激しいセックスの疲れもあってか、それとも智が自分を受け入れてくれた安心感からか、いつの間にか眠ってしまった。
智はユウの寝顔を見ながら微笑み、頭を優しく撫でた。
翌朝、二人共寝不足気味で起きてきた。
智は東京での住まいを探す事を第一の目的としており、それはかなり難航すると思われたので、滞在期間を一週間としていた。
だが、ユウから同棲を懇願され、あっさり受け入れた為、残りの六日間はフリーとなった。
「トモちゃん、ワタシ仕事に行かなくちゃいけないんだけど」
「ユウちゃん、本当に有難うね。
今日はお友達に会って、これからの事を相談してくるよ。
お仕事は何時ごろに終わるの?」
「七時半には帰って来れると思うんだけど。」
「ワタシもそれまでには帰ってくるね」
智とユウは一緒に部屋を出て駅に向かった。
最近は堕ちる頻度も増えてて…」
「大丈夫?
そんなに…」
これはニューハーフあるあるなので、多かれ少なかれ皆が経験する事で、鬱の症状が出やすくなると言われている。
智も涙脆くなったり、落ち込んだりすることが男性として生きていた時よりも圧倒的に増えはしたが、これにも個人差というものがあり、ユウほど酷くはなかった。
実際に自ら命を絶ってしまう者も少なくはなく、女性ホルモン剤は自らが望む女性らしい肉体を手に入れられると同時に、このような深刻な副作用をもたらしていた。
ニューハーフになるのも命がけで、これらの理由から女性ホルモンの投与を全くしない者たちも存在する。
智はユウからの求愛に迷いがあった。
住むところなど有難すぎる申し出であったが、果たしてお互いにとってこのような形での同居は良いことなのだろうか?と。
だが、ユウの心はかなり壊れてしまっており、放置は出来ないと判断した。
残りの人生、何年生きられるかはわからないが、このように自分を必要としてくれる人がいる。
それもニューハーフという同じ境遇で、この世で自分のことを最も理解できる存在の…
「ユウちゃん、ワタシもあなたの事が大好きだよ。
こんなワタシをずっと待ってくれていたなんて、本当に申し訳ない思いでいっぱいなんだけど」
「いいの。ワタシの勝手で思ってた事なんだもん。
トモちゃんが幸せならワタシはそれでよかったの。
一度は諦めた事なんだし…
でも、トモちゃんが旦那さんと別れたって聞いて、急に押し殺していた想いが噴き出してきて…」
「ありがとう…
こんなオバサンニューハーフだけど、これからの人生を一緒にすごしてくれる?」
「トモちゃん…」
ユウは子供のように声を上げて泣き出し、裸のまま智に抱きついた。
智の豊満な乳房に顔を埋め、泣き続けたのだった
延々と泣いていたが、激しいセックスの疲れもあってか、それとも智が自分を受け入れてくれた安心感からか、いつの間にか眠ってしまった。
智はユウの寝顔を見ながら微笑み、頭を優しく撫でた。
翌朝、二人共寝不足気味で起きてきた。
智は東京での住まいを探す事を第一の目的としており、それはかなり難航すると思われたので、滞在期間を一週間としていた。
だが、ユウから同棲を懇願され、あっさり受け入れた為、残りの六日間はフリーとなった。
「トモちゃん、ワタシ仕事に行かなくちゃいけないんだけど」
「ユウちゃん、本当に有難うね。
今日はお友達に会って、これからの事を相談してくるよ。
お仕事は何時ごろに終わるの?」
「七時半には帰って来れると思うんだけど。」
「ワタシもそれまでには帰ってくるね」
智とユウは一緒に部屋を出て駅に向かった。
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