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the day after
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智、敦、由香里の三者での話し合いの翌日から、三人は何事も無かったかのように普通に、仲の良い暮らしが続いていった。
恵太もそんな三人を見て、思うところはあったが、自身の関心は智一人であり、何としてでも智に付いて東京に行くことを念頭に、日々を過ごしていた。
「トモちゃん、いよいよ明日、莉愛ちゃんが帰ってくるね。
こっちに何時に着くの?」
「多分3時頃かな。」
「ワタシも一緒に迎えに行ってもいい?」
「それはかまわないんだけど、軽トラだから二人しか乗れないのよ。」
「智さん
良かったら私の車を使って下さい。」
智と恵太の会話に遠慮がちに割り込んできた由香里は、自らの車を貸すと申し出た。
結局、その言葉に甘え、由香里の車で智と恵太が迎えに行く事になった。
そして、伊東家では、もう一つ話しておかなければならない事があった。
それは、智と敦が別れ、由香里と敦が一緒になり、さらに智がこの家を出ていくという事実を、どう莉愛に伝えるかだった。
この時点では、恵太が智について行くというのは、母の許しが出ておらず、保留中だったが。
莉愛には、血の繋がりのある智から話すのが一番だと言う結論に達し、明日、帰ってきてから折り合いを見て話す事が決まった。
「智さん、よろしければ、明日は私が晩御飯の用意をさせていただきますが、よろしいでしょうか。」
「えっ、ホントですか
嬉しいです。」
「大したものは作れませんが、莉愛ちゃんのお迎えで大変なのに、何もしないで待ってるのも…と、思いまして。」
「僕も明日は早めに帰ってくるよ。
どうせ、母さんも病院で年越ししないとダメになったしね。」
「そうね。
お正月くらいはこっちに帰れるかなって、少し期待したんだけど」
「衰弱が激しくてね…
病院じゃないと、何かあったときの対処が出来ないんだよ。
特に、ここは山奥だし、すぐに病院に連れてく事も不可能だし。」
敦の口ぶりから、光江の容態の悪さが伝わってきて、その日が近づいていると、智に覚悟を与えた。
恵太もそんな三人を見て、思うところはあったが、自身の関心は智一人であり、何としてでも智に付いて東京に行くことを念頭に、日々を過ごしていた。
「トモちゃん、いよいよ明日、莉愛ちゃんが帰ってくるね。
こっちに何時に着くの?」
「多分3時頃かな。」
「ワタシも一緒に迎えに行ってもいい?」
「それはかまわないんだけど、軽トラだから二人しか乗れないのよ。」
「智さん
良かったら私の車を使って下さい。」
智と恵太の会話に遠慮がちに割り込んできた由香里は、自らの車を貸すと申し出た。
結局、その言葉に甘え、由香里の車で智と恵太が迎えに行く事になった。
そして、伊東家では、もう一つ話しておかなければならない事があった。
それは、智と敦が別れ、由香里と敦が一緒になり、さらに智がこの家を出ていくという事実を、どう莉愛に伝えるかだった。
この時点では、恵太が智について行くというのは、母の許しが出ておらず、保留中だったが。
莉愛には、血の繋がりのある智から話すのが一番だと言う結論に達し、明日、帰ってきてから折り合いを見て話す事が決まった。
「智さん、よろしければ、明日は私が晩御飯の用意をさせていただきますが、よろしいでしょうか。」
「えっ、ホントですか
嬉しいです。」
「大したものは作れませんが、莉愛ちゃんのお迎えで大変なのに、何もしないで待ってるのも…と、思いまして。」
「僕も明日は早めに帰ってくるよ。
どうせ、母さんも病院で年越ししないとダメになったしね。」
「そうね。
お正月くらいはこっちに帰れるかなって、少し期待したんだけど」
「衰弱が激しくてね…
病院じゃないと、何かあったときの対処が出来ないんだよ。
特に、ここは山奥だし、すぐに病院に連れてく事も不可能だし。」
敦の口ぶりから、光江の容態の悪さが伝わってきて、その日が近づいていると、智に覚悟を与えた。
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