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決意
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農作業に精を出す境親子だったが、恵太は、母と二人になった時、気になっていた事を質問した。
「ママ…」
「どうしたの?恵ちゃん」
「ママは敦おじさんの事が好きなの?」
「えっ」
由香里は、思いっきり動揺し、少女のように顔を赤らめた。
「なんでわかるの?って言いたそうな顔してるけど、そりゃ夜にあんな大きな声を出されたら、誰でもわかるよ。」
「…そんなに大きかった?…」
「うん。めっちゃ」
「えっ、ていう事は智さんにも…」
「だから余裕で聞こえてるって。
でも、トモちゃんは、ワタシの事を心配してお部屋に来てくれたのよ。」
「ごめんなさい…」
「ワタシは全然いいのよ。
ママが誰好きになろうと自由だって思ってるし、それに、パパとママの関係を見てたら尚更ね…」
「…」
「ママ、これからどうするつもり?」
「恵ちゃん…
私、智さんの事が大好きだし、幸せな家庭を壊すつもりはなかったのよ。
これは本心、わかってほしいんだけど。」
「わかるよ。
ママの子供だし、ママってそんな悪い人じゃないから」
「でもね、一方で自分自身の気持ちを抑えられなくて…」
「で、パパと離婚するの?」
「うん。敦さんの事がなくても、もう離婚しないとって思ってた。
恵ちゃんも、もう十六歳だし、わかってくれるかなって。」
「うん、それはよく理解してるし、ママの自由にすればいいと思うよ。
ワタシも十八歳になったら、東京に出て、トモちゃんみたいなニューハーフになりたいって思ってるし、そしたらママはママで、自分の幸せをとことん追いかけてほしいなって思ってるのよ。」
「恵ちゃん…」
「だから、もし、敦おじさんのことが好きなら、トモちゃんにもちゃんと話してあげて。
きっとトモちゃんなら、悪いようにはしないと思うよ。」
「そうね。
このままだと、私…パパの事を批判してたけど、やってる事は同じになるもんね。
いえ、お世話になってる人のご主人を奪うなんて、もっと酷い事してるのよね。」
由香里は、自身の置かれた環境と心の移ろいに苦しさを感じた。
その夜、由香里は智と二人きりで話し合いの場をもった。
「ママ…」
「どうしたの?恵ちゃん」
「ママは敦おじさんの事が好きなの?」
「えっ」
由香里は、思いっきり動揺し、少女のように顔を赤らめた。
「なんでわかるの?って言いたそうな顔してるけど、そりゃ夜にあんな大きな声を出されたら、誰でもわかるよ。」
「…そんなに大きかった?…」
「うん。めっちゃ」
「えっ、ていう事は智さんにも…」
「だから余裕で聞こえてるって。
でも、トモちゃんは、ワタシの事を心配してお部屋に来てくれたのよ。」
「ごめんなさい…」
「ワタシは全然いいのよ。
ママが誰好きになろうと自由だって思ってるし、それに、パパとママの関係を見てたら尚更ね…」
「…」
「ママ、これからどうするつもり?」
「恵ちゃん…
私、智さんの事が大好きだし、幸せな家庭を壊すつもりはなかったのよ。
これは本心、わかってほしいんだけど。」
「わかるよ。
ママの子供だし、ママってそんな悪い人じゃないから」
「でもね、一方で自分自身の気持ちを抑えられなくて…」
「で、パパと離婚するの?」
「うん。敦さんの事がなくても、もう離婚しないとって思ってた。
恵ちゃんも、もう十六歳だし、わかってくれるかなって。」
「うん、それはよく理解してるし、ママの自由にすればいいと思うよ。
ワタシも十八歳になったら、東京に出て、トモちゃんみたいなニューハーフになりたいって思ってるし、そしたらママはママで、自分の幸せをとことん追いかけてほしいなって思ってるのよ。」
「恵ちゃん…」
「だから、もし、敦おじさんのことが好きなら、トモちゃんにもちゃんと話してあげて。
きっとトモちゃんなら、悪いようにはしないと思うよ。」
「そうね。
このままだと、私…パパの事を批判してたけど、やってる事は同じになるもんね。
いえ、お世話になってる人のご主人を奪うなんて、もっと酷い事してるのよね。」
由香里は、自身の置かれた環境と心の移ろいに苦しさを感じた。
その夜、由香里は智と二人きりで話し合いの場をもった。
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