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楽園

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「うわー、素敵な温泉」

「雰囲気あるわー」


美智香と美沙は化粧を落として、きゃっきゃっ言いながら温泉に入ってきた。

二人は温泉に浸かり、日頃の疲れを癒した。


「美智香のすっぴんって、見たの初めてかも…」


「それを言うなら美沙の見るのも初めてだよ。」


「やっぱ、美智香はすっぴんでも全然いけるね

肌もキレイだし、とても四十二には見えないわ」


「美沙もキレイだよ
翔君が夢中になるのもわかるような気がする。」


「そんな事ないよ

自分で言うのもアレだけど、翔クンの歪んだ性癖のおかげで付き合ってもらえてるだけだし。」


「それを言うなら真弥君だってそうじゃん。

こんなオバサン、フツーなら絶対相手にしないって。」


「言えてる。
ありがたい事だわ」


「でもね、性癖云々はともかく、私は真弥君の愛情をめっちゃ感じるのよ。
だから、信じてついて行こうって決めれたし」


「私もだよ。
こんなオバサンのどこが良いのかさっぱりわかんないけど、すごく大事にしてくれるし、愛してくれてるのがわかるの。

今、ようやく初めての恋をしてるって感じ。」


「わかるー

私も自分の歳忘れてさあ、少女になってしまうのよ、真弥君の前では。」


「まあ、少女の割には変態プレイしてるんでしょ?」


「うん…
それは否定出来ない…」


「私も…
この歳でさあ、セックスに目覚めるってか、調教されちゃうと、もう止まんないわ。」


「うん…
今の私なんて、それしか頭にないもん
ずーっとエッチのことばかり」


「あの、バリキャリ美智香がねえ、変われば変わるものね。」


「でも、仕事が楽しくて仕方ないってときがあったのも事実だけど、今の幸せに比べたらねえ」


「そうだね。
この幸せは口では表現できないくらいよ。

だから離婚するまで頑張れたし。」


「大地君、何か言ってる?」


「ううん。
私の好きにすればいいって」


「へえ、何か達観した感じね」


「本人の前でもそんなに仲良い感じも出してなかったし、子供ながらに思うところがあったんじゃないかなあ。」


「そっか
私は子供がいないから、その辺の事はよくわかんないけど、大地君も見てたんだね。」


「大地も来年二十歳になるし、前の旦那に親権は渡したけど、出来る限りのことはするつもり

でも、これからは、私は私の人生を楽しませてもらうわ。」

美沙はしみじみと語った。
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