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揺れる思い

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「萩原君、ごめんなさい。
私、あなたの真意を計りかねて、変な事言っちゃって」

美智香が謝ると、翔は首を横に振った。


「そうだね。好きだからこそそういう風に考えてしまうよね。
よくわかるよ。

美沙、美沙はその辺の事はどう考えてるの?」


美智香は美沙に話を振った。

美沙は泣きすぎたのか、少し鼻声で声が震えていたが、しっかりとした口調で言った。


「私も翔クンの事が好き」


と。


「美沙、それじゃあ」


「うん。

離婚する」

美沙は言い切った。


さっきから黙って聞いていた真弥がここで口を開き、翔に質問した。


「萩原、美沙さんの気持ちを受け止める覚悟は出来てんのか?」


「ああ。勿論だよ

美沙さんには好きだの一緒になりたいだのと言っていたけど、今言ったように、平穏に暮らしてる美沙さんの家庭を壊したくないって思うったのもまた事実です。

でも、綺麗事を言わず、本音を言わせてもらうと

俺は美沙さんと一緒になりたい。絶対に…
もし、俺を選んでくれるなら、絶対に幸せにします。」

と、誓った。


「二人の気持ちがそうなら、私や真弥君がとやかく言う事はないよ。

萩原君、美沙は一見、明るくてサバサバした性格に思えるけど、一番真面目でシャイで、乙女な性格してるんだ。

だから、歳はめちゃくちゃ上だけど、どうかよろしくお願いします。」


「はい。
こちらこそ、よろしくお願いします」


「よかったね、美沙」


「うん…よかった…」

美智香に声をかけられ、美沙は安堵の表情を浮かべるも、涙が止まらずに泣き崩れた。


こうして、翔と美沙は結婚を前提に交際を継続することになり、次の段階として、美沙の夫の離婚協議に舞台を移すことになった。
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