329 / 722
cheat
しおりを挟む
「何よ、美沙
私、これから真弥君のご飯作らなきゃいけないんだからね。」
パートの帰りに、美沙にどうしてもと無理矢理カフェに呼び出された美智香は、少しキレ気味に言いながら席に着いた。
美沙は元気なく項垂れており、ようやく美智香もその異変に気付き、少し心配になってきた。
「えっ、どうしたの美沙…」
「美智香、どうしよう…」
「何?
何かあったの?」
「私は大丈夫だって思ってたんだけどなあ…」
「美沙、ちゃんと言って
一体何があったのよ!」
美智香が少し声を荒げると、美沙はまたシュンとしおらしくなった。
「美智香、私…もうダメ…」
「何がダメなの?」
「翔クン…」
「翔君?
翔君て、萩原君のこと?」
「うん…」
「えっ、美沙、あれから連絡取り合ってたの?」
「うん。
LINEの交換も場を盛り上げる為にやった事で、こっちは本当に連絡するつもりはなかったのよ。
でも、彼に、あの居酒屋の帰り道で、また会いたいから連絡するって言われて、その日のうちに向こうからいっぱいメールが来たのよ。」
「…」
私と同じだ…と言いたい美智香だったが、何も言わずに話の続きを待った。
「で、私も別に何を求めるってわけでもなかったんだけど、暇つぶしのつもりで彼に会ったのよ。
ホントにキレイな顔してるし、眺めてるだけでもいいかなって…」
「うん…それで?」
「何回か会ったんだけど、彼がずーっと積極的に私の事が素敵だとか美人だって言ってきて、ここ十何年もそんな事言われた事ないし、なんか私もその気になってきちゃったのよね」
「うんうん…わかる、わかるよ美沙」
「で、それで、何回目かのときに、ちょうど日曜だったかな
彼、一人暮らししてるんだけど、家でご飯作って欲しいなんて甘えられて、私も…信じて欲しいんだけど、お母さん気分で、ホントにご飯だけ作るために行っちゃったのよ、彼の部屋に
普通にご飯作ってあげて、美味しい美味しいって言って食べてくれて、少し話とかしてたんだけど、さすがにマズイって思い、帰ろうとしたら」
「うん…」
「抱きしめられてキスされた…」
「えーっ!」
「で、最後まで…」
衝撃の告白だった。
私、これから真弥君のご飯作らなきゃいけないんだからね。」
パートの帰りに、美沙にどうしてもと無理矢理カフェに呼び出された美智香は、少しキレ気味に言いながら席に着いた。
美沙は元気なく項垂れており、ようやく美智香もその異変に気付き、少し心配になってきた。
「えっ、どうしたの美沙…」
「美智香、どうしよう…」
「何?
何かあったの?」
「私は大丈夫だって思ってたんだけどなあ…」
「美沙、ちゃんと言って
一体何があったのよ!」
美智香が少し声を荒げると、美沙はまたシュンとしおらしくなった。
「美智香、私…もうダメ…」
「何がダメなの?」
「翔クン…」
「翔君?
翔君て、萩原君のこと?」
「うん…」
「えっ、美沙、あれから連絡取り合ってたの?」
「うん。
LINEの交換も場を盛り上げる為にやった事で、こっちは本当に連絡するつもりはなかったのよ。
でも、彼に、あの居酒屋の帰り道で、また会いたいから連絡するって言われて、その日のうちに向こうからいっぱいメールが来たのよ。」
「…」
私と同じだ…と言いたい美智香だったが、何も言わずに話の続きを待った。
「で、私も別に何を求めるってわけでもなかったんだけど、暇つぶしのつもりで彼に会ったのよ。
ホントにキレイな顔してるし、眺めてるだけでもいいかなって…」
「うん…それで?」
「何回か会ったんだけど、彼がずーっと積極的に私の事が素敵だとか美人だって言ってきて、ここ十何年もそんな事言われた事ないし、なんか私もその気になってきちゃったのよね」
「うんうん…わかる、わかるよ美沙」
「で、それで、何回目かのときに、ちょうど日曜だったかな
彼、一人暮らししてるんだけど、家でご飯作って欲しいなんて甘えられて、私も…信じて欲しいんだけど、お母さん気分で、ホントにご飯だけ作るために行っちゃったのよ、彼の部屋に
普通にご飯作ってあげて、美味しい美味しいって言って食べてくれて、少し話とかしてたんだけど、さすがにマズイって思い、帰ろうとしたら」
「うん…」
「抱きしめられてキスされた…」
「えーっ!」
「で、最後まで…」
衝撃の告白だった。
1
お気に入りに追加
63
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる