324 / 710
symmetry
しおりを挟む
敦不在の中で行われる農作業は、境親子の頑張りもあって、マイナスどころかプラスに転じた感さえあった。
農家としてのセンスがピカイチで、敦よりもよっぽど役に立つ由香里
そして、大ファンの智に認められようと必死に頑張る恵太の働きは、智を驚かせ、そして喜ばせた。
農作業から帰ってくると、智による恵太へのニューハーフとしての英才教育が施された。
主にメイク、所作、女声の発生方法など、事細かに行われたが…
「トモさんトモさん」
「ん?
どうしたの恵ちゃん」
「トモさんは女性ホルモンはどうされてるんですか」
恵太は最も関心のある事の質問をした。
「女性ホルモン剤のこと?」
「はい。こんな田舎では注射してくれるところが無いんじゃないですか?」
「恵ちゃん、詳しいわね」
「はい。前からこういう事だけはめちゃくちゃ勉強してきましたから。」
「そうね。
東京に住んでた時は、行きつけの美容外科っていうのがあって、そこで注射打ってたのよ。
ワタシは去勢してるし、回数はそれほど必要としてないけど、全くナシってわけにはいかないから。
こっちに来てからは、恵ちゃんが言ったように、そんな病院なんて全然ないから、ネットで購入した経口薬を服用してるのよ。」
「そうなんですね」
「経口薬は内臓への負担もかかってしまうし、ホントは注射が一番良いんだけどね。
こればかりは仕方ないわ。」
「トモさん、そのお薬って見せてもらう事できますか?」
「見せるくらいなら全然良いわよ」
智は棚から普段服用しているホルモン剤を取り、恵太に見せた。
「へえ、1種類じゃないんですね」
「いわゆる女性ホルモン剤っていうのと、ワタシはアンチアンドロゲンの薬も飲んでる」
「アンチアンドロゲンて、男性ホルモンを抑える薬ですね」
「恵ちゃん、さすがね
よく勉強してるわ。」
「トモさん、ワタシも飲んでみたいんですけど、分けてもらう事はできませんか?」
「恵ちゃん、これは諸刃の刃っていうくらいの薬でね、見方によったら毒と同じなのよ。
勉強してるから知ってると思うけど。
ちゃんとした病院で色々調べてもらってからにした方がいいよ。
てか、良いに決まってる。」
「それはよくわかるんですが、トモさんはちゃんと調べてもらってから女性ホルモンを始めたんですか?」
「ワタシは正直に言うと何も調べずに始めちゃった。
もうおっぱいがほしくて」
「その気持ちわかります。
だから、ワタシも」
恵太は一向に引き下がる様子はなかった。
農家としてのセンスがピカイチで、敦よりもよっぽど役に立つ由香里
そして、大ファンの智に認められようと必死に頑張る恵太の働きは、智を驚かせ、そして喜ばせた。
農作業から帰ってくると、智による恵太へのニューハーフとしての英才教育が施された。
主にメイク、所作、女声の発生方法など、事細かに行われたが…
「トモさんトモさん」
「ん?
どうしたの恵ちゃん」
「トモさんは女性ホルモンはどうされてるんですか」
恵太は最も関心のある事の質問をした。
「女性ホルモン剤のこと?」
「はい。こんな田舎では注射してくれるところが無いんじゃないですか?」
「恵ちゃん、詳しいわね」
「はい。前からこういう事だけはめちゃくちゃ勉強してきましたから。」
「そうね。
東京に住んでた時は、行きつけの美容外科っていうのがあって、そこで注射打ってたのよ。
ワタシは去勢してるし、回数はそれほど必要としてないけど、全くナシってわけにはいかないから。
こっちに来てからは、恵ちゃんが言ったように、そんな病院なんて全然ないから、ネットで購入した経口薬を服用してるのよ。」
「そうなんですね」
「経口薬は内臓への負担もかかってしまうし、ホントは注射が一番良いんだけどね。
こればかりは仕方ないわ。」
「トモさん、そのお薬って見せてもらう事できますか?」
「見せるくらいなら全然良いわよ」
智は棚から普段服用しているホルモン剤を取り、恵太に見せた。
「へえ、1種類じゃないんですね」
「いわゆる女性ホルモン剤っていうのと、ワタシはアンチアンドロゲンの薬も飲んでる」
「アンチアンドロゲンて、男性ホルモンを抑える薬ですね」
「恵ちゃん、さすがね
よく勉強してるわ。」
「トモさん、ワタシも飲んでみたいんですけど、分けてもらう事はできませんか?」
「恵ちゃん、これは諸刃の刃っていうくらいの薬でね、見方によったら毒と同じなのよ。
勉強してるから知ってると思うけど。
ちゃんとした病院で色々調べてもらってからにした方がいいよ。
てか、良いに決まってる。」
「それはよくわかるんですが、トモさんはちゃんと調べてもらってから女性ホルモンを始めたんですか?」
「ワタシは正直に言うと何も調べずに始めちゃった。
もうおっぱいがほしくて」
「その気持ちわかります。
だから、ワタシも」
恵太は一向に引き下がる様子はなかった。
0
お気に入りに追加
62
あなたにおすすめの小説


ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる