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美智香と真弥が、初めて結ばれてから一週間後
約束通り、真弥は美智香の部屋を訪れた。

「みっちゃん、素敵な部屋だね。
なんか、みっちゃんの部屋ってかんじがする!

今日は部屋に呼んでくれてありがとう。」

「こんなところまでわざわざ来てもらってごめんね。。」


「いや、すごく嬉しいよ
初めてみっちゃんの部屋に来れたんだもん。」


真弥は部屋を見渡しながら、落ち着かない様子で笑って言った。

「真弥君、ウチに来てもらったのは、あの…ホテル代の事とか、そういう理由も勿論あるんだけど

もう一つは、ウチだったら、ゆっくりお話が出来るかなって。」


「ひょっとして、僕がみっちゃんにした話の事を考えてくれたの?」

「うん…」

真弥は、今日という日がどういう日か、ようやく理解した。

性急にプロポーズした自分に、美智香が何らかの答えを用意している。

yesかnoかの返事をどちらにしても貰えるのだ。


一気に緊張感が増す真弥だったが、テーブルを挟んで向かい側に座る美智香が、真弥を見つめて、ゆっくりと話し始めた。


「真弥君

私、あなたにプロポーズしてもらって、色々考えてみたの。

すんなりお受け出来る年齢でもないし、歳の差もすごくあるし…
今は良くても、将来的にはどうなのかなって

ホントに頭がおかしくなるくらい考えたんだけど…」


「うん…」


「こんなオバサンだけど…

あ、言わない約束だったね…

こんな年上の女だけど、真弥君のお嫁さんにしてくれる?」



「みっちゃん…

いいの?」



「私、真弥君の事がどうしようもなく好きなんだ
私も真弥君に一目惚れしたのよ、よくよく考えてみたら…

あなたは私にとって運命の人…

だから、もう怖がったり、将来の事を不安に思ったり、悩んだりするのをやめることにしたよ。

真弥君の事を信じる。」



「みっちゃん、ありがとう!」

真弥は感極まって美智香を抱きしめた。


そして

「僕はみっちゃんの事を絶対に裏切らない

絶対に幸せにする。

神に誓うよ」

と、涙を流しながら言った。

そして互いに立ち上がると、強く抱き合った。


真弥の涙を見て、美智香も声を出して泣き出した。


「ううっ…

もう、何泣いてんのよ

こっちまで泣いちゃうじゃない。」

美智香は涙で顔をくしゃくしゃにしながら、真弥にしがみついた。

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