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happy leftovers

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その場に取り残された美智香と真弥だったが

「行っちゃったね。
そろそろ帰ろうか」

と、美智香の方から締めようとした。


「美智香さん、退屈でした?」


真弥は申し訳なさそうに言った。


「そんな事ないよ。
こういうところ来た事なかったし、ある意味面白いと思ったけど。」


「よかった。
僕は美智香さんにお会いできてすごく嬉しかったです。
めっちゃ楽しかったし」


「真弥君て、若いのにお世辞が上手ね

オバサン二人の相手にウンザリしてたんじゃない?」


「いえ、そんなことはありません。」


「常田さんに無理矢理連れてこられたんでしょ?
新人も辛いよね。」


「こういうのって断ろうと思えば全然断れるんですけど、実際に他の同僚はみんな断ってるし。
でも、常田さんには色々仕事教えてもらって、本当にお世話になってるから、少しでもお役に立てるならって。」


「そうなんだね。
オバサンと話は合わないし、苦痛だったでしょ
無事解放された事だし、さっさと帰りましょ」


「そんな事ないです。
美智香さんはすごく素敵な方です。

ここへ来るのは正直、全然気が乗ってませんでしたが、美智香さんにお会い出来て、本当にラッキーだと思っています。」


「真弥君て営業職?」


「えっ、そうです…」


「だろうね。
口がすごく上手だもん」


「いえ、仕事とこういう事は別です。
今言ったことは本心です。」


「ありがとう。
私も真弥君みたいな若くて可愛い男子とお話出来てすごく楽しかったよ。」


「美智香さん。
よかったら、連絡先交換してもらえませんか」

「えっ、どうして?」


「美智香さんとまたお会いしたいからです。」


「何言ってるのよ。

オバサンと連絡先交換しても時間の無駄よ。
ちゃんと今の彼女を大切にしなさい。」


「彼女なんていませんので。

ダメですか?」


「んー

別にダメじゃないけど」

美智香は、真っ直ぐな目で見つめて訴えかけてくる真弥に根負けし、連絡先の交換には応じたが
また会いたいとの希望にはやんわりと断った。


二人は店を出て、駅まで一緒に歩き、改札を抜けたところで、反対方向に別れた。

真弥は深々と美智香にお辞儀し、美智香の後ろ姿をずっと見つめていた。

ホームへ上がるエスカレーターのところで、美智香が振り返ると、真弥はまだその場に立ったまま、美智香に手を振り続けていた。

美智香は笑みを浮かべると、また正面を向きエスカレーターに乗った。

美智香は、自分がドキドキしている事に気付き、少し焦った。
このような気持ちになるのは、いつ以来だろうか…と、俯きながら考えていた。
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