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詭弁
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智は風俗店への限定復帰を決心した。
しかし、それには敦に説明をしなければならない。
多分、敦にとって、AVの撮影に智を送り出した事も苦渋の決断だったと考えられる。
しかし、経済的な逼迫は如何ともし難く、智の提案に乗らざるを得なかった。
AVのギャラで、一先ずは窮状は凌げるし、そこからまた頑張ればいいと考えていた筈…
それが、智から東京滞在の延長を申し入れられ、その理由が風俗店に復帰して金を稼ぐという理由だったら…
許すわけがない。
ケイコには、三ヶ月間こっちで働くなら、ちゃんと話すべきだが、風俗店でとは言わない方が良いとアドバイスされた。
智はケイコの言った通りに、東京への滞在を三ヶ月に延長する事を敦に告げた。
理由は過去に働いていた会社の同僚が独立して起業したのを、軌道に乗るように手伝うという、取ってつけたような陳腐な理由付けだった。
しかし、智自身の輝かしい学歴、職歴が、その陳腐さを払拭し、信憑性を持たせることに成功したのだった。
敦がどこまで智の事を信じて、その話を受け入れたかは不明だが、とにかく三ヶ月間、風俗店で働く事を決意したのだ。
三十九と、風俗嬢としての賞味期限が切れ、やや、太ったこのカラダでどこまで稼げるかは未知数だ。
しかし、上手くいけば、AVで貰うギャラの数倍を稼ぐ事も可能なのだ。
智自身もそこまでの期待は出来ないが、少しでも家計の足しになればという事と、自分の性癖を満たすために、再度、そしておそらく最後であろう風俗業に三ヶ月従事する。
店長も智の決心を大いに喜んでくれて、写真撮影し、すぐに智の画像をホームページにアップした。
これを敦に見られたら終わってしまうが、敦自体、日々の生活に追われる日々で、そんなものを目にする暇はないと、智もわかっていた。
後は、村の住人達が偶然見る、というのが怖いところだったが、さすがに遠く離れたニューハーフヘルスのサイトを見るような好きものはいないであろうと判断した。
警戒すべきは、現在も定期的に肉体関係にある組合長の吉川だけだが、彼とて既に六十代半ばを過ぎ、そちらの方も大丈夫だろうと考えた。
店の寮に三ヶ月間世話になりながら、再び風俗業界に戻ってきた智は、決意を新たにした。
しかし、それには敦に説明をしなければならない。
多分、敦にとって、AVの撮影に智を送り出した事も苦渋の決断だったと考えられる。
しかし、経済的な逼迫は如何ともし難く、智の提案に乗らざるを得なかった。
AVのギャラで、一先ずは窮状は凌げるし、そこからまた頑張ればいいと考えていた筈…
それが、智から東京滞在の延長を申し入れられ、その理由が風俗店に復帰して金を稼ぐという理由だったら…
許すわけがない。
ケイコには、三ヶ月間こっちで働くなら、ちゃんと話すべきだが、風俗店でとは言わない方が良いとアドバイスされた。
智はケイコの言った通りに、東京への滞在を三ヶ月に延長する事を敦に告げた。
理由は過去に働いていた会社の同僚が独立して起業したのを、軌道に乗るように手伝うという、取ってつけたような陳腐な理由付けだった。
しかし、智自身の輝かしい学歴、職歴が、その陳腐さを払拭し、信憑性を持たせることに成功したのだった。
敦がどこまで智の事を信じて、その話を受け入れたかは不明だが、とにかく三ヶ月間、風俗店で働く事を決意したのだ。
三十九と、風俗嬢としての賞味期限が切れ、やや、太ったこのカラダでどこまで稼げるかは未知数だ。
しかし、上手くいけば、AVで貰うギャラの数倍を稼ぐ事も可能なのだ。
智自身もそこまでの期待は出来ないが、少しでも家計の足しになればという事と、自分の性癖を満たすために、再度、そしておそらく最後であろう風俗業に三ヶ月従事する。
店長も智の決心を大いに喜んでくれて、写真撮影し、すぐに智の画像をホームページにアップした。
これを敦に見られたら終わってしまうが、敦自体、日々の生活に追われる日々で、そんなものを目にする暇はないと、智もわかっていた。
後は、村の住人達が偶然見る、というのが怖いところだったが、さすがに遠く離れたニューハーフヘルスのサイトを見るような好きものはいないであろうと判断した。
警戒すべきは、現在も定期的に肉体関係にある組合長の吉川だけだが、彼とて既に六十代半ばを過ぎ、そちらの方も大丈夫だろうと考えた。
店の寮に三ヶ月間世話になりながら、再び風俗業界に戻ってきた智は、決意を新たにした。
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