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出稼ぎ
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「トモちゃんも四十かあ」
アキは智をまじまじと見ながら、呟くように言った。
「はい。歳には勝てません。」
「そうね。
ヘルス嬢でやれるのも今が限界かもね。」
「…」
「誤解しないでほしいんだけど、あくまでもトモちゃんが、って事よ。
ワタシみたいなのは細々やっていけるだろうけど、トモちゃんはうちの店のレジェンドだったし、あの頃の人気を再びって思ったら、今がいっぱいいっぱいかなって。
トモちゃんの経済事情は知らないけど、お金が必要ならもう一度ヘルス嬢やるのもいいんじゃないかなあ。
これが最後のチャンスだと思うし。」
「いけるかなあ、こんなおばさんで」
「うん。まだ若さ保ててるし、元々アンタ美人だからね。
多少の劣化は十分にカバーできてると思うよ。
それに、元いたアンタのファンは絶対にまた指名してくれるから。
ワタシだって、アンタの事を見つけたとき、この娘はヤバイって思ったくらいの逸材なんだから」
「その節はありがとうございました。
アキさんに声かけてもらってなかったら、この世界の事も知らないままでしたし
でも、この歳で復帰する自信は無いかも…」
「でも、お金が必要なんでしょ?
こんな言い方するのもアレなんでけど、トモちゃんくらいの歳のニューハーフでまとまったお金を稼ごうって思えば、これしかないと思う。
それも、アンタくらいのビジュアルを保ててる人だけね。」
「たしかに、他で稼げる未来は全く見えませんけど」
「どう?
ウチには幸い寮もあるから、めっちゃ汚いとこだけど、
期間限定で働いてみたら?」
アキの言葉に智の心は大いに揺れた。
「主人もいる事ですし、ちょっと考えてみます。」
智は、これから会う予定のケイコに聞いてもらおうと思った。
アキは智をまじまじと見ながら、呟くように言った。
「はい。歳には勝てません。」
「そうね。
ヘルス嬢でやれるのも今が限界かもね。」
「…」
「誤解しないでほしいんだけど、あくまでもトモちゃんが、って事よ。
ワタシみたいなのは細々やっていけるだろうけど、トモちゃんはうちの店のレジェンドだったし、あの頃の人気を再びって思ったら、今がいっぱいいっぱいかなって。
トモちゃんの経済事情は知らないけど、お金が必要ならもう一度ヘルス嬢やるのもいいんじゃないかなあ。
これが最後のチャンスだと思うし。」
「いけるかなあ、こんなおばさんで」
「うん。まだ若さ保ててるし、元々アンタ美人だからね。
多少の劣化は十分にカバーできてると思うよ。
それに、元いたアンタのファンは絶対にまた指名してくれるから。
ワタシだって、アンタの事を見つけたとき、この娘はヤバイって思ったくらいの逸材なんだから」
「その節はありがとうございました。
アキさんに声かけてもらってなかったら、この世界の事も知らないままでしたし
でも、この歳で復帰する自信は無いかも…」
「でも、お金が必要なんでしょ?
こんな言い方するのもアレなんでけど、トモちゃんくらいの歳のニューハーフでまとまったお金を稼ごうって思えば、これしかないと思う。
それも、アンタくらいのビジュアルを保ててる人だけね。」
「たしかに、他で稼げる未来は全く見えませんけど」
「どう?
ウチには幸い寮もあるから、めっちゃ汚いとこだけど、
期間限定で働いてみたら?」
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「主人もいる事ですし、ちょっと考えてみます。」
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