カジュアルセックスチェンジ

崩落

週刊誌にトモの記事が予定通り掲載され、智のその素性と、伊東との交際が発覚した。


伊東は停職処分を受けたが、依願退職し、あっさりと学校を辞めた。

莉愛も学校に行けず、智と自宅で過ごす日々を余儀なくされた。

智も風俗店での仕事を辞め、ベビーシッターの会社とも解約し、家でずっと莉愛の面倒を見続けた。

買い物に行けない智に代わって、この事を知ったケイコやユウが心配して生活に必要なものを届けてくれてて、事なきを得た。


皆の支えがあって、なんとか一週間を乗り切った智は、荷造りを終えて、引っ越し業者を呼んだ。


そう、今日、伊東の実家に移り住む事になったのだ。

田舎とはいえ、自分の顔を見ればわかる者もいるだろう。

噂の広まりは都会の比ではない。
それでも、伊東の温情に縋るしかないのである。

莉愛だけは何としてでも守らないといけない。
いや、もう何度も傷つけてしまった莉愛を…
これ以上は…

智は泣きそうになりながら、出されていく荷物を見送った。

しかし、莉愛は転校しなくてはならない状況でも文句を言わずに、元気のない智を励ましてくれた。

「ごめんね…莉愛」

「いいよ、いいよ

ママと別々で住むのはイヤだけど、これからも一緒に住めるんでしょ？」

「もちろんよ
ママと莉愛はずっと一緒だよ。」

智は莉愛を涙ながらに抱きしめた。


そして、莉愛と手を繋ぎ、伊東の故郷に向かうための電車に乗った…