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デート
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竹井とのデートの約束をした智だったが、予定が合わず、実現の見通しが、中々立たなかった。
実際のところ、智もそこまで忙しくはしてなかったのだが、せっかく男性と会うのだから、もう一段階痩せたいと思い、自分で設定した目標値に達するまで、何かと理由を付けて会わなかっただけなのだ。
体重が60キロ台になったら、これが自らに課したノルマだった。
現在72キロで、あと3キロにまで迫っていたが、最初の頃に比べると、体重の落ち方はかなり鈍っていた。
毎朝のウォーキング、食事制限、家でのストレッチなど、真面目にこなした結果。
デートの約束をした日から、およそ一カ月で3キロの減量に成功、69キロとなった。
こうして、晴れて竹井と、具体的に日にちと時間を約束した智は、ようやくお互いが休みの次の日曜日の午前中に、会う事が出来た。
「すみません、お待たせしちゃって。」
「いえ、ボクも今来たとこです。」
「映画行くの久しぶりです。
何見ます?」
「こちらは全然、トモさんが見たいのがあったら‥
すいません、下の名前で呼んじゃいましたね
でも、トモって本名なんですね」
「ええ。男女どっちでもいけるかなって、AVもそのままで出演してたんですよ。」
智は少し、恥ずかしそうに答えた。
二人は結局、ゾンビものの映画を選んだのだが、智のこの辺りの感性は性転換しても男のままだったので、どちらかが合わせるという感じにはならなかった。
その後、二人は寿司店で食事をした。
頑張って高級店に行こうと誘った竹井に対し、智は回転寿司で良いと固辞した。
ダイエット中の智としては、自分で食べる量を調整できる回転寿司の方が良かったからだ。
「映画、面白かったですね」
智が言うと、竹井も笑顔で頷いた。
「トモさんが喜んでくれて良かったです。
映画行くの、久しぶりすぎて何見ていいかわかんなかったんです、正直言って。」
「じゃあ、今日のは当たりでしたね」
智もこうして、外出して誰かとすごす休日は久しぶりだった。
一歩ずつ、完全なる社会復帰に近づいている、という自覚と自信を持てるようになってきていた。
実際のところ、智もそこまで忙しくはしてなかったのだが、せっかく男性と会うのだから、もう一段階痩せたいと思い、自分で設定した目標値に達するまで、何かと理由を付けて会わなかっただけなのだ。
体重が60キロ台になったら、これが自らに課したノルマだった。
現在72キロで、あと3キロにまで迫っていたが、最初の頃に比べると、体重の落ち方はかなり鈍っていた。
毎朝のウォーキング、食事制限、家でのストレッチなど、真面目にこなした結果。
デートの約束をした日から、およそ一カ月で3キロの減量に成功、69キロとなった。
こうして、晴れて竹井と、具体的に日にちと時間を約束した智は、ようやくお互いが休みの次の日曜日の午前中に、会う事が出来た。
「すみません、お待たせしちゃって。」
「いえ、ボクも今来たとこです。」
「映画行くの久しぶりです。
何見ます?」
「こちらは全然、トモさんが見たいのがあったら‥
すいません、下の名前で呼んじゃいましたね
でも、トモって本名なんですね」
「ええ。男女どっちでもいけるかなって、AVもそのままで出演してたんですよ。」
智は少し、恥ずかしそうに答えた。
二人は結局、ゾンビものの映画を選んだのだが、智のこの辺りの感性は性転換しても男のままだったので、どちらかが合わせるという感じにはならなかった。
その後、二人は寿司店で食事をした。
頑張って高級店に行こうと誘った竹井に対し、智は回転寿司で良いと固辞した。
ダイエット中の智としては、自分で食べる量を調整できる回転寿司の方が良かったからだ。
「映画、面白かったですね」
智が言うと、竹井も笑顔で頷いた。
「トモさんが喜んでくれて良かったです。
映画行くの、久しぶりすぎて何見ていいかわかんなかったんです、正直言って。」
「じゃあ、今日のは当たりでしたね」
智もこうして、外出して誰かとすごす休日は久しぶりだった。
一歩ずつ、完全なる社会復帰に近づいている、という自覚と自信を持てるようになってきていた。
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