48 / 710
guilty
しおりを挟む
「私、本当に何も知らないんです!信じて下さい!」
尿検査で覚醒剤反応が出た事により、取り調べを受ける事になった智は、泣きそうになりながら、担当刑事に向かって訴えた。
「吉岡さん、あなたの体内から覚醒剤反応が出た事は紛れもない事実です。
たとえ知っていようが、そうでなくても。」
「そんな‥」
「話はこれから、ゆっくり聞かせてもらいますよ。
先ずは、一緒にいた桐山との関係を教えて下さい。」
「それは‥」
智は奈々と桐山の事から、家を見つけられた事、そして、今に至るまでの経緯を、出来るだけ丁寧に説明した。
「運転免許証であなたが男性だと知って驚きましたが、あなたが歩んできた人生もスゴイですね。
ですが、桐山とそういう関係になったのは軽率だったと言わざるを得ませんね。
あの男は前科もあるし、とんでもないワルですよ。
我々は以前からヤツを内偵していたんですからね。」
と、言いながらも、警察というのは疑うのが仕事である。智の供述を覆すべく、様々な質問を投げかけてきた。
智が自分の意思で覚醒剤を使用したと推認した上での質問であり、あからさまに誘導されている感もあった。
しかし、智は一貫して、自分は何も知らなかったと強く押し通した。
そして、少しずつ冷静さを取り戻した智は取調べの中断をさせるべく、当番弁護士への接見を要請した。
最終的に、智は私費で弁護士の北見誠という人物に自分の弁護を依頼する事になった。
接見に来た北見に、智は洗いざらい今回の事を説明し、理解を求めると、北見は
「吉岡さん、よくわかりました。
普通、尋問に関しては全て答えず、黙秘する戦法もありますが、吉岡さんには一切不利になるような事がありませんので、全て正直にありのままの事を取調べでお話しください。」
と、力強い口調で言った。
「勿論、そのつもりです。ですが、知らなかったとはいえ、覚醒剤が体に入ってしまったのも事実です。
その辺の事は大丈夫でしょうか。」
「過去の事例、また判例を見ても、このようなパターンは少なくないですし、ほとんどが不起訴となっています。
私も、それを実証出来るよう動いてみます。」
「よろしくお願いします。」
智は頭を深々と下げた。
尿検査で覚醒剤反応が出た事により、取り調べを受ける事になった智は、泣きそうになりながら、担当刑事に向かって訴えた。
「吉岡さん、あなたの体内から覚醒剤反応が出た事は紛れもない事実です。
たとえ知っていようが、そうでなくても。」
「そんな‥」
「話はこれから、ゆっくり聞かせてもらいますよ。
先ずは、一緒にいた桐山との関係を教えて下さい。」
「それは‥」
智は奈々と桐山の事から、家を見つけられた事、そして、今に至るまでの経緯を、出来るだけ丁寧に説明した。
「運転免許証であなたが男性だと知って驚きましたが、あなたが歩んできた人生もスゴイですね。
ですが、桐山とそういう関係になったのは軽率だったと言わざるを得ませんね。
あの男は前科もあるし、とんでもないワルですよ。
我々は以前からヤツを内偵していたんですからね。」
と、言いながらも、警察というのは疑うのが仕事である。智の供述を覆すべく、様々な質問を投げかけてきた。
智が自分の意思で覚醒剤を使用したと推認した上での質問であり、あからさまに誘導されている感もあった。
しかし、智は一貫して、自分は何も知らなかったと強く押し通した。
そして、少しずつ冷静さを取り戻した智は取調べの中断をさせるべく、当番弁護士への接見を要請した。
最終的に、智は私費で弁護士の北見誠という人物に自分の弁護を依頼する事になった。
接見に来た北見に、智は洗いざらい今回の事を説明し、理解を求めると、北見は
「吉岡さん、よくわかりました。
普通、尋問に関しては全て答えず、黙秘する戦法もありますが、吉岡さんには一切不利になるような事がありませんので、全て正直にありのままの事を取調べでお話しください。」
と、力強い口調で言った。
「勿論、そのつもりです。ですが、知らなかったとはいえ、覚醒剤が体に入ってしまったのも事実です。
その辺の事は大丈夫でしょうか。」
「過去の事例、また判例を見ても、このようなパターンは少なくないですし、ほとんどが不起訴となっています。
私も、それを実証出来るよう動いてみます。」
「よろしくお願いします。」
智は頭を深々と下げた。
0
お気に入りに追加
62
あなたにおすすめの小説


ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる