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闇堕ち編
元の木阿弥
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「ママ、久しぶり」
店に現れた薫は、開店準備をしていたキャシーに声をかけた。
「あ、薫ちゃん!
薫ちゃんやないの!」
キャシーは驚きの声を上げた。
「元気にしてた?」
「そんなん元気なわけないやないの。
アンタもユウちゃんも未来ちゃんも、みんな旦那さん殺されてやで、ウチにおった子らがそんな目に遭わされて…
元気なんてあらへんよ、そんなん。」
「ごめんね、心配かけて。
でも、ワタシはもう大丈夫だから。」
「薫ちゃん、そんなズボン履いて…女性SPみたいやないの」
「よくみんなから言われる。」
「また極道の世界に戻ったんやね…」
「うん。
沢木でお世話になるなんて思ってもなかったけど。
一応、この辺りはワタシの担当になったから、これからもよろしく頼むね。」
「そりゃ、薫ちゃんが付いててくれたら安心やけど…
アンタも昔と違って、体もすっかり女の子になってしもてるし、大丈夫なん?」
「ちょっと鍛え直したし、昔と同じくらい動けるようにはなってるのよ。
メンタル面はなかなか難しいけど。」
「そやね。
女ホルにタマ取ってたら、臆病にもなるわなあ。
それでも極道をやろうて思たんやから、相当な覚悟を持ってんねんやろ?」
「うん。
それなりにはね。」
「でも、自暴自棄にだけはならんことやで。
アンタに何かあったら、一番悲しむんは天国におる旦那さんやねんから。」
「うん。わかってる。
でも、ワタシにはやるべき事が残ってるから。
でも、ママも大変だね。
一度は引退してたのに、また復帰するなんて。」
「そやで。
もう悠々自適な生活出来る思てたワタシが大間違いやったわ。
まあ、未来ちゃんやユウちゃんが店を辞めた時点でこうなる事は覚悟してたけどな。
それより、アンタ
聞いてるか?」
「えっ、何を?」
「この辺のシマは前からずっと沢木のもんやって暗黙の了解があったやろ。
まあ、たまにしょーもない奴らがちょっかい出してきた事はあったけど。」
「そうだね。
また変な動きしてる連中がいる?」
「おるわ。
大友の連中や。」
キャシーの言葉に、薫の表情がサッと変わった。
「沢木組が頭を殺され、赤石功太までおらんようになってしもたもんやから、この辺が特に手薄になってしもてな。
最初は、沢木がどう出るか、試しに手出ししてきたようなもんやったけど、段々エスカレートしてきて、今は我が物顔で店に出入りしとる。
ここもそんな感じよ。」
「わかった。
ワタシが何とかするから、心配しないで。」
薫はキャシーの肩に手を置き、力強く言った。
店に現れた薫は、開店準備をしていたキャシーに声をかけた。
「あ、薫ちゃん!
薫ちゃんやないの!」
キャシーは驚きの声を上げた。
「元気にしてた?」
「そんなん元気なわけないやないの。
アンタもユウちゃんも未来ちゃんも、みんな旦那さん殺されてやで、ウチにおった子らがそんな目に遭わされて…
元気なんてあらへんよ、そんなん。」
「ごめんね、心配かけて。
でも、ワタシはもう大丈夫だから。」
「薫ちゃん、そんなズボン履いて…女性SPみたいやないの」
「よくみんなから言われる。」
「また極道の世界に戻ったんやね…」
「うん。
沢木でお世話になるなんて思ってもなかったけど。
一応、この辺りはワタシの担当になったから、これからもよろしく頼むね。」
「そりゃ、薫ちゃんが付いててくれたら安心やけど…
アンタも昔と違って、体もすっかり女の子になってしもてるし、大丈夫なん?」
「ちょっと鍛え直したし、昔と同じくらい動けるようにはなってるのよ。
メンタル面はなかなか難しいけど。」
「そやね。
女ホルにタマ取ってたら、臆病にもなるわなあ。
それでも極道をやろうて思たんやから、相当な覚悟を持ってんねんやろ?」
「うん。
それなりにはね。」
「でも、自暴自棄にだけはならんことやで。
アンタに何かあったら、一番悲しむんは天国におる旦那さんやねんから。」
「うん。わかってる。
でも、ワタシにはやるべき事が残ってるから。
でも、ママも大変だね。
一度は引退してたのに、また復帰するなんて。」
「そやで。
もう悠々自適な生活出来る思てたワタシが大間違いやったわ。
まあ、未来ちゃんやユウちゃんが店を辞めた時点でこうなる事は覚悟してたけどな。
それより、アンタ
聞いてるか?」
「えっ、何を?」
「この辺のシマは前からずっと沢木のもんやって暗黙の了解があったやろ。
まあ、たまにしょーもない奴らがちょっかい出してきた事はあったけど。」
「そうだね。
また変な動きしてる連中がいる?」
「おるわ。
大友の連中や。」
キャシーの言葉に、薫の表情がサッと変わった。
「沢木組が頭を殺され、赤石功太までおらんようになってしもたもんやから、この辺が特に手薄になってしもてな。
最初は、沢木がどう出るか、試しに手出ししてきたようなもんやったけど、段々エスカレートしてきて、今は我が物顔で店に出入りしとる。
ここもそんな感じよ。」
「わかった。
ワタシが何とかするから、心配しないで。」
薫はキャシーの肩に手を置き、力強く言った。
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