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懐柔編
心象の印象
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少し酒も入り、亮輔と薫はトークが盛り上がってきていた。
「沙織さん」
「えっ、何?」
「沙織さんて、男性時代
かなりのイケイケだったって、しんちゃんから聞いたんですけど。」
「まあ、どっちかっていうと、そうね。
イケイケすぎて、組長の女に手を出し、タマ取られてニューハーフにされちゃったけどね。」
「ですよね。
でも、性転換薬で一度は男に戻ったのに、また女性になり、その後はずっと女性のままでいるのは何故なんですか。
ワタシや未来ちゃんは性同一性障害だから、沙織さんのパターンとは少し違うと思うんですけど。」
「それ、よく言われる。
カレにもね
一度は罰としてニューハーフにされて、風俗に堕とされ、そこで絶望の日々を送ったんだけど、でも、ワタシはそこから頑張って這い上がってやろうと思ったのね。
たとえどんな姿にされようとも。
そしたら案外、女として生きるのも楽しいなって思い始めて。
組の中でも幹部にしてもらえたりしたし。
で、例の性転換薬によって、多村の策略により完全な女にされたの。
そこで女の悦びってやつ?を知ってしまったのがいけなかったのね。
後に男に戻ったけど、その頃の心象がずっと残ってて、頭から消えなかった。
で、気がついたらまた女になってた。
これが本当のところかな。」
「なるほど。
そんなに良かったんですね。」
「良かったってレベルじゃないわ。
言葉では表現できないもの。
多村だって、ワタシに女にされてから今もまだ男に戻ってないのは、そういう事なんだと思うよ。」
「スゴイんですね、性転換薬の効果って。」
「まだ一般流通してないのは、色々不備があるからだと思うけどね。
薫さんは、あのときワタシが勧めた性転換薬をなんでやらなかったの?
その性同一性障害の人って、体は男だけど心は女ってやつでしょ?
薬を使用すれば、心と体の性が完全に一致するのに。」
亮輔の言葉に、薫は少し考えるような素振りを見せたが、すぐに亮輔の方に視線を戻し、言った。
「それは、しんちゃんが、今のワタシが良いって言ってくれたからです。
下が付いててもいいって。
それすらも愛おしいって…
あのときも言ったけど、薬で完全な女性になったとして、ワタシはしんちゃんが好きだった状態を維持できているのかなあって、単純にそう思っただけなんです。」
「一途だね、薫ちゃんは。」
「そんな事ないです。
しんちゃんが素晴らしすぎるから…
ワタシはずっとカレの側にいたい
ただ、そう思っているだけで。」
薫はハッキリと惚気た後、すぐに顔を真っ赤にして恥ずかしがった。
「沙織さん」
「えっ、何?」
「沙織さんて、男性時代
かなりのイケイケだったって、しんちゃんから聞いたんですけど。」
「まあ、どっちかっていうと、そうね。
イケイケすぎて、組長の女に手を出し、タマ取られてニューハーフにされちゃったけどね。」
「ですよね。
でも、性転換薬で一度は男に戻ったのに、また女性になり、その後はずっと女性のままでいるのは何故なんですか。
ワタシや未来ちゃんは性同一性障害だから、沙織さんのパターンとは少し違うと思うんですけど。」
「それ、よく言われる。
カレにもね
一度は罰としてニューハーフにされて、風俗に堕とされ、そこで絶望の日々を送ったんだけど、でも、ワタシはそこから頑張って這い上がってやろうと思ったのね。
たとえどんな姿にされようとも。
そしたら案外、女として生きるのも楽しいなって思い始めて。
組の中でも幹部にしてもらえたりしたし。
で、例の性転換薬によって、多村の策略により完全な女にされたの。
そこで女の悦びってやつ?を知ってしまったのがいけなかったのね。
後に男に戻ったけど、その頃の心象がずっと残ってて、頭から消えなかった。
で、気がついたらまた女になってた。
これが本当のところかな。」
「なるほど。
そんなに良かったんですね。」
「良かったってレベルじゃないわ。
言葉では表現できないもの。
多村だって、ワタシに女にされてから今もまだ男に戻ってないのは、そういう事なんだと思うよ。」
「スゴイんですね、性転換薬の効果って。」
「まだ一般流通してないのは、色々不備があるからだと思うけどね。
薫さんは、あのときワタシが勧めた性転換薬をなんでやらなかったの?
その性同一性障害の人って、体は男だけど心は女ってやつでしょ?
薬を使用すれば、心と体の性が完全に一致するのに。」
亮輔の言葉に、薫は少し考えるような素振りを見せたが、すぐに亮輔の方に視線を戻し、言った。
「それは、しんちゃんが、今のワタシが良いって言ってくれたからです。
下が付いててもいいって。
それすらも愛おしいって…
あのときも言ったけど、薬で完全な女性になったとして、ワタシはしんちゃんが好きだった状態を維持できているのかなあって、単純にそう思っただけなんです。」
「一途だね、薫ちゃんは。」
「そんな事ないです。
しんちゃんが素晴らしすぎるから…
ワタシはずっとカレの側にいたい
ただ、そう思っているだけで。」
薫はハッキリと惚気た後、すぐに顔を真っ赤にして恥ずかしがった。
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