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exclusive defense

弱点

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「あなた、お帰りなさい。」

夜遅くに帰ってきた多喜を、エプロン姿の薫が出迎え、玄関で熱いキスを交わした。


「ただいま、薫ちゃん

遅くなってごめんね」


「ううん。
忙しかった?」


「そういうわけじゃないんだけど、赤石さんが店に来てね。」


「えっ、功太が?」


「うん。

ユウさんの事が心配で、迎えに来たみたいなんだ。」


「そうなんだ
あの功太がねえ…」


「でも、あの二人
ホントに仲良しで、見てて幸せな気分になったよ。」


「へえ
功太とユウちゃんてそんな感じなんだ

想像もできないわ」

薫は思わず笑ってしまった。


「まあ、俺たちの仲には及ばないと思うけど。

ね?」


「もう、真ちゃん」

薫はそう言うと、多喜に抱きつきキスをした。

キスを堪能した後、多喜は先ほど功太から言われた話を薫に告げた。


「薫ちゃん
ユウさんと赤石さん、結婚するって言ってたじゃん。」


「うん。

年末にね。
それまでの間、ウチで働かせて欲しいって。」


「そうそう。

その結婚式に、薫ちゃんと二人で出席して欲しいって言われたんだ。」


「えっ、真ちゃんとワタシで?」


「そうなんだよ。
赤石さんはヤクザで、ユウさんはニューハーフだろ?
出席者が少ないから、是非にって。」


「そうなんだ…

そういう事なら…」



「まあ、それは出るって事でいいと思うんだけど、俺たちも式挙げないか?」


「えっ?」



「だって、付き合い出した時、二人だけで式を挙げようって約束したじゃん。」


「うん…
でも、あのときは…」


「抗争があったり、俺も薫ちゃんもそれどころではない状況になったし、俺に至っては刑務所に入ったりもして…
有耶無耶になってしまってたから」


「真ちゃん

ワタシの事を気遣って言ってくれてるのなら本当に大丈夫だからね。

たしかにウェディングドレスに憧れてた時期はあったのは事実だけど、まだ二十代前半だったし…

今はもうオバサンになったし、そんな式なんて挙げなくてもすごく幸せだし、これ以上は何も望んでないの。
これは本心で言ってるから。」


「俺もすごく幸せだけど…」


「側に真ちゃんがいてくれたら、ワタシは何も要らないから。」


「ありがとう。

でも、薫ちゃんの花嫁姿を俺はどうしても見てみたい。

赤石夫妻に刺激されたわけじゃないけど…」


「真ちゃん…

愛してる」

薫はそう言うと、また多喜に抱きついた。
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