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road to lord
本性
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「へえ
こんな店知らなかったなあ」
この店特有の大きなメニューを見ながら優磨は言った。
「えっ
全国的に有名なチェーン店なんだよ」
未来は優磨が知らない事に驚き、そして笑った。
二人で注文を済ませると、すぐに遥は話題を変えた。
「ねえ、優磨
さっきの事だけど…」
「ん?
ああ、大友組のオッサンか。」
「あの人、すごくヤバそうだった。」
「えっ、何が?」
「あの人の目
あれは人を殴る事に何の躊躇もしない人間の目だった。
ああいう人は本当にヤバいわ。」
「えっ、なんでわかるんだ?」
「ワタシも小さい時からいろんな格闘技をやってきたから、一目見たらだいたいはわかるの。
この人は強いのか弱いのか…
それも、腕っぷしの強さだけじゃなくて、心の面の強い、弱いが。」
「そうか。
まあ、ヤクザなんてものは他人に迷惑かけてナンボの商売だから、良心の呵責とかそんなもんはハナからないよ。
俺もヤクザだし、アイツらと一緒さ。」
「優磨は違うわ。
あなたは優しい。
優しすぎるくらい…」
「おいおい、そんなの買い被りすぎだよ。
何とか補正がかかってんじゃねえの」
「そんな事ないよ。
ワタシ、わかるんだ…
自分がこんなだから…」
「えっ、未来が、どうって?」
「ワタシ、ニューハーフじゃん。
でも、小さい時からそれを隠して生きてきて、ずっと本当の自分を外に出さないようにしてたんだ。
そしたら、何となくわかるようになったの。
ワタシに接する人の本性っていうのかなあ。
本心っていうのかなあ…」
「えっ、だったら俺の事も…」
「そりゃわかるよー
大好きな人だもん、特にね」
「マジか」
「だから心配なの。
優磨は本当に優しい人…
いざという時に他人のために自分の命を投げ出すのも厭わない…
そんな人なの
だから、もし…
そういう場面に遭遇した時は、先ずは自分の事を最優先に考えてほしい。」
「…
大丈夫だよ。俺は自分の命が惜しくてたまんないんだ。
だって、死んだらお前にもう会えないじゃんか。」
「優磨…」
未来は、感極まってしまったが、注文していたハンバーグが運ばれてきた為、話はそこで中断した。
「ほう、美味しそうじゃん。
アメリカのとは全然違うなあ。
いや、そもそもアメリカにはハンバーグを単体で食べる習慣はないけどね。」
「えっ、そうなの?」
「そうだよ。
豆知識だよ。覚えといて」
優磨はそう言って笑った。
こんな店知らなかったなあ」
この店特有の大きなメニューを見ながら優磨は言った。
「えっ
全国的に有名なチェーン店なんだよ」
未来は優磨が知らない事に驚き、そして笑った。
二人で注文を済ませると、すぐに遥は話題を変えた。
「ねえ、優磨
さっきの事だけど…」
「ん?
ああ、大友組のオッサンか。」
「あの人、すごくヤバそうだった。」
「えっ、何が?」
「あの人の目
あれは人を殴る事に何の躊躇もしない人間の目だった。
ああいう人は本当にヤバいわ。」
「えっ、なんでわかるんだ?」
「ワタシも小さい時からいろんな格闘技をやってきたから、一目見たらだいたいはわかるの。
この人は強いのか弱いのか…
それも、腕っぷしの強さだけじゃなくて、心の面の強い、弱いが。」
「そうか。
まあ、ヤクザなんてものは他人に迷惑かけてナンボの商売だから、良心の呵責とかそんなもんはハナからないよ。
俺もヤクザだし、アイツらと一緒さ。」
「優磨は違うわ。
あなたは優しい。
優しすぎるくらい…」
「おいおい、そんなの買い被りすぎだよ。
何とか補正がかかってんじゃねえの」
「そんな事ないよ。
ワタシ、わかるんだ…
自分がこんなだから…」
「えっ、未来が、どうって?」
「ワタシ、ニューハーフじゃん。
でも、小さい時からそれを隠して生きてきて、ずっと本当の自分を外に出さないようにしてたんだ。
そしたら、何となくわかるようになったの。
ワタシに接する人の本性っていうのかなあ。
本心っていうのかなあ…」
「えっ、だったら俺の事も…」
「そりゃわかるよー
大好きな人だもん、特にね」
「マジか」
「だから心配なの。
優磨は本当に優しい人…
いざという時に他人のために自分の命を投げ出すのも厭わない…
そんな人なの
だから、もし…
そういう場面に遭遇した時は、先ずは自分の事を最優先に考えてほしい。」
「…
大丈夫だよ。俺は自分の命が惜しくてたまんないんだ。
だって、死んだらお前にもう会えないじゃんか。」
「優磨…」
未来は、感極まってしまったが、注文していたハンバーグが運ばれてきた為、話はそこで中断した。
「ほう、美味しそうじゃん。
アメリカのとは全然違うなあ。
いや、そもそもアメリカにはハンバーグを単体で食べる習慣はないけどね。」
「えっ、そうなの?」
「そうだよ。
豆知識だよ。覚えといて」
優磨はそう言って笑った。
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