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恋人との日々編
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優磨から、結婚に際し、自分がニューハーフであるということを外部に対して伏せなければならないと言われた未来は、予想していたとはいえ、少し傷つき、そして悲しい気持ちになった。
だが、それを悟られてはならないと、努めて明るく返事した。
「そんなの、わかってるわよ
ワタシだって自分の素性を明かしたくないもの。」
「ごめんな…
未来のことを知ってるのは、ほら、一度未来の家にお邪魔した弁護士の鷹村先生だけなんだ。」
「鷹村さん?
そうだよね、ワタシがまだ男の姿の時に会ってるしね。
でも、鷹村さんにワタシと付き合ってること言ったの?」
「ああ。
鷹村先生は弁護士だけど、元々はウチに所属しててね。
すごく頭が良かったのを見て、ウチの親父がもったいないから大学行けって言って、司法試験にまで合格するに至ったんだ。」
「すごいね。」
「俺も、アメリカから日本に急遽戻る事になり、右も左もわからないまま親父の跡を継いだんだが、この世界のイロハは全て鷹村先生から教えてもらったんだ。
俺が一番信頼しているのが鷹村先生なんだよ。
その鷹村先生に未来と結婚したいって言ったら、大賛成してくれてね。
俺も嬉しかったんだ。」
「そうなんだね。
ワタシも急激に鷹村さんのことが好きになってきたわ。」
未来は、そう言って笑った。
「あとは披露宴なんだけど、そんな大げさにはしたくないのが本心なんだけど、仕事の関係の絡みもあって、大げさにやらなきゃなんないんだ。」
「そっか
ワタシの親は多分反対してして式には出ないだろうし、二十歳からニューハーフデビューして、男女共にお友達も少ないから…優磨とバランス取れないね。
ごめんなさい」
「いや、そんなこと気にすんなよ。
未来はまだ学生で社会にも出てないんだから、少ないのは当たり前だよ。
そこは気にしないでくれ。
ただ、披露宴を行うって事だけど承知してくれれば…」
「うん。
ワタシ、ウエディングドレス着るのが子供の頃からの夢だったんだ。
その夢が叶うだけでも、すごく嬉しいわ。」
「俺も未来の花嫁姿、楽しみにしてるよ。」
「ねえ、結婚するのって、いつくらいを考えてるの?」
「正直言うと、早ければ早いほどいいと思ってんだけど、未来はまだ大学生だし…」
「ワタシ、ニューハーフになったときから、もうフツーの就職は諦めてるのよ。
甘えた言い方だけど、専業主婦になってもいいかなって。
せっかく大学に入ったし、卒業はしておきたいけど。」
「来年四年だもんな…
あ、そうだ!
未来、バリバリ働きたいならウチの会社に入ればいいんだよ」
優磨は閃いたとばかりに、食い気味に未来に言った。
だが、それを悟られてはならないと、努めて明るく返事した。
「そんなの、わかってるわよ
ワタシだって自分の素性を明かしたくないもの。」
「ごめんな…
未来のことを知ってるのは、ほら、一度未来の家にお邪魔した弁護士の鷹村先生だけなんだ。」
「鷹村さん?
そうだよね、ワタシがまだ男の姿の時に会ってるしね。
でも、鷹村さんにワタシと付き合ってること言ったの?」
「ああ。
鷹村先生は弁護士だけど、元々はウチに所属しててね。
すごく頭が良かったのを見て、ウチの親父がもったいないから大学行けって言って、司法試験にまで合格するに至ったんだ。」
「すごいね。」
「俺も、アメリカから日本に急遽戻る事になり、右も左もわからないまま親父の跡を継いだんだが、この世界のイロハは全て鷹村先生から教えてもらったんだ。
俺が一番信頼しているのが鷹村先生なんだよ。
その鷹村先生に未来と結婚したいって言ったら、大賛成してくれてね。
俺も嬉しかったんだ。」
「そうなんだね。
ワタシも急激に鷹村さんのことが好きになってきたわ。」
未来は、そう言って笑った。
「あとは披露宴なんだけど、そんな大げさにはしたくないのが本心なんだけど、仕事の関係の絡みもあって、大げさにやらなきゃなんないんだ。」
「そっか
ワタシの親は多分反対してして式には出ないだろうし、二十歳からニューハーフデビューして、男女共にお友達も少ないから…優磨とバランス取れないね。
ごめんなさい」
「いや、そんなこと気にすんなよ。
未来はまだ学生で社会にも出てないんだから、少ないのは当たり前だよ。
そこは気にしないでくれ。
ただ、披露宴を行うって事だけど承知してくれれば…」
「うん。
ワタシ、ウエディングドレス着るのが子供の頃からの夢だったんだ。
その夢が叶うだけでも、すごく嬉しいわ。」
「俺も未来の花嫁姿、楽しみにしてるよ。」
「ねえ、結婚するのって、いつくらいを考えてるの?」
「正直言うと、早ければ早いほどいいと思ってんだけど、未来はまだ大学生だし…」
「ワタシ、ニューハーフになったときから、もうフツーの就職は諦めてるのよ。
甘えた言い方だけど、専業主婦になってもいいかなって。
せっかく大学に入ったし、卒業はしておきたいけど。」
「来年四年だもんな…
あ、そうだ!
未来、バリバリ働きたいならウチの会社に入ればいいんだよ」
優磨は閃いたとばかりに、食い気味に未来に言った。
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